紫紺の彼女はもう1人の最強Ⅴ (ページ4)

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恵も津美紀も運動神経が良くて
かけっこは圧勝だった

お昼は久しぶりに4人で

校庭にレジャーシートを敷いて
お弁当を囲む

何事も無かったかのように
私達は、笑いあって
食事をした

私が食べようとしていた卵焼き
手に持っていたら
いつの間にか悟に食べられていて
私はただの可愛い爪楊枝を咥えることになった

『ん？、、もうっ悟！』

ケラケラ笑う悟と
間抜けな私を見て
津美紀と恵も笑っていて

きっと誰もが羨む
家族の絵だった

4人で手を繋いで
家に帰る

2人がシャワーを済ませている間に
夕飯の支度をする

「よかったね。A。怖くなかった？」
悟に頭を撫でられて、
肩の力が抜けた

学校に入った瞬間
向けられた好奇の目、
厭らしい目、
敵意のある目、
それらを全て無視して
悟の手に縋った

『、、うん。悟がいたから。ありがとう。』
そこに嘘はなくて
少し心配そうな悟に
微笑んだ

「ったく、僕の奥さんは強すぎて困るねぇ」
そう言って額にキスをくれた

「そういうのは子供の目のないところでやってください。」

『恵！、、津美紀も、、』
呆れる恵と、隣にニヤける津美紀。

「てへっ」
悟は確信犯ね。

『悟はあっち座ってて。』
キッチンから追い出して、
津美紀と、食卓を整えて
みんなで夕飯にした

「恵、そろそろ特訓始めようか。」
唐突な悟。いつも唐突なんだから。
でも、これは私たちで話し合ったこと。
恵を強くする。
これから、何が起きても、
たとえまかり間違って、
禪院を背負うことになっても
彼が立ち止まらないように。

「、、はい。」

「特訓って、なんの？」
この世界のことを津美紀には伝えてない。

「男磨きだよ。恵も、僕に負けないくらいのイケメンになんないとね。」
悟のウィンク、初めて見たかも。。
かっこいい、
なるほど！と納得する津美紀もかわいい。
はぁと呆れる恵も、かわいい。

そうして、久々に2人を寝かせて
私達は家に帰った

「ね、A、誕生日の前日、旅行行こ。行きたいところある？」
私に続いてシャワーを浴びた悟が
髪を拭きながらウッドデッキに出てきた

今日はタバコを吸わず
柵に凭れて夜景を見下ろしている私の
隣に立つ

『休めるかな、？』

「僕を誰だと思ってるの？Aと協力すれば、できるに決まってるでしょ。」

『ふふっ、そだね。行き先は悟に任せていい？』

「もちろん、まっかせなさい！」

私はドライヤーを取りに行って
いつものお返しに悟の髪を乾かした

「A、幸せだね。」