紫紺の彼女はもう1人の最強Ⅳ (ページ43)

今日:3 hit、昨日:9 hit、合計:29,188 hit

189 ページ43

素直に薬を飲む悟に
スマホを差し出す

本当は婚約者なんて呼ばれたくない
でも、安心する人といたほうが
きっと治りも早い
私だったらそう

ばったり出くわしちゃうとか
そんなドラマみたいなことにならないように
ちゃんと姿を消すから安心してよ

悟の快復が優先だ

そう思ったのに、悟に言われた言葉は
反転術式を解け、だった

なにそれ、、
人がどんな思いでっ
悔しくなる、私の気持ちを
全くわかってくれないことに

でも、、そうだ、私伝えてない
硝子ねえはちゃんと伝えて
玉砕しろと言っていた

じゃあ、と思って、
半ば朦朧としてる悟を寝かせて
気持ちを伝えた

大好きだって、口にしたら
また涙が溢れて
私、泣いてばかりな気がする

目を閉じてるから
寝てるかもしれないし
見られることはないと思うけど
悔しすぎて、背を向けて
涙を拭った
拭っても拭っても
溢れるけど

必死に言葉を繋いでいたのに
突然悟に抱きしめられて
熱すぎる体に包まれて
胸が苦しくて痛かった

悟のほうに向けられて
顔をあげさせられて
綺麗な蒼に映される

熱のせいか潤んだ悟の目に
涙を零す私が映っていて
それでも逃げたくなくて
必死に話していたのに

悟の胸に埋められた

なんでそんなことするかな
それがどれだけ辛いか

そんなことするなら
私を選んでよ
大人になるからっ、、

体がキツいだろうに
まだ呼吸も荒いのに
私に話をしてくれる

え、、
婚約してないって、どういうこと？

熱で頬を赤くした悟が
驚く私をみて、苦笑いする

「あん時いた女は、親が勝手に決めたやつ。あの後正式に婚約破棄した。縁談は、確かに持ち掛けられてるけど、全部断ってる、。俺、もう決めてんだよ。前に言ったろ？決めてる、やつがいるって。、」
え、、

『婚約破棄、、わたしの、せい、、？』
きっと私のせいだ、あの人を怖がらせたから。。

「ふっ、そこかよ。あんな女名前も知らねぇよ。お前がいなくても、俺が断るつもりだった。タイミングが、悪すぎた。傷つけたよな、ごめん。。」
ううんと首を振る、、

『じゃあ、決めてる人、は、、？婚約、してないの、、？』

「んー、なかなか手ごわくて、逃げ足が速くて、かくれんぼもうまい。なかなか捕まえられねぇんだよ。」
なにその人、超手ごわいじゃん
悟が捕まえられない、、？悟より速いの、、？

『呪術師、？』
それなら特級レベルじゃ、

「ん、そう、おまけに捕まえても、なんか勘違いしてて話になんなくて、すげぇむかつくの。」
うわ、、酷い