鬼の倒し方 ページ50
…
「……気づいた所で意味ねぇけどなぁ。お前は段々と死んでいくだろうしなぁあ」
気づく?
…天元様、もしかしてこの鬼たちの倒し方を?
「こうしている今は、俺たちはジワジワ勝ってるんだよなああ」
「それはどうかな!?」
「!?」
「俺を忘れちゃいけねぇぜ。この伊之助様とその手下がいるんだぜ!!」
「何だ?コイツら…」
天元様の目の前に炭治郎が現れた。
いつもの箱に禰豆子ちゃんを背負っている。
良かった。
『みんな…揃ったね』
「調子はどうだ、千代」
『万全です』
「生意気に強がりやがって」
みんなで刀を構え、二人の鬼と向かい合う。
「下っぱが何人来たところで幸せな未来なんて待ってねえからなあ。全員死 ぬのに、そうやって瞳をきらきらさすなよなあぁ」
鎌鬼がボリボリと自分の顔を引っ掻く。
「勝つぜ。俺たち鬼殺隊は」
「勝てないわよ!頼みの綱の柱と小娘が毒にやられちゃあね!!」
「!?」
炭治郎が驚いたように私を振り返った。
「余裕で勝つわボケ雑魚がァ!!毒回ってるくらいの足枷あってトントンなんだよ、人間様を舐めるんじゃねぇ!!」
天元様が威勢良く声を上げる。
「こいつらは四人共、優秀な俺の継子だ。逃げねぇ根性がある!手足が千切れても喰らいつくぜ!!」
毒をくらってるのに、それを感じさせないほどの勢いがある。
やっぱりこの人はすごいな。
天元様は、二人同時に頸を斬れば倒せると言った。
そうか…一人だけ頸を斬っても死ななかったのは、
二人とも頸が繋がっていない状態にしなければいけなかったから。
「グワハハハ!!なるほどな、簡単だぜ。俺たちが勝ったも同然だな!!」
それを聞いて、鬼たちは不敵な笑みを浮かべた。
「その簡単なことができねぇで鬼狩りたちは死んでったからなあ。柱となあ。俺が十五で妹が七、喰ってるからなあ」
そんなに…柱を!?
「そうよ。夜が明けるまで生きてた奴はいないわ。長い夜はいつもアタシたちを味方するから。どいつもこいつも死になさいよ!!」
帯鬼が狭い店の中で帯を振り回した。
瞬間、落雷のような音と共に帯鬼は天井から外に追い出された。
「『善逸!』」
「蚯蚓女は俺と寝ぼけ丸に任せろ!!お前らはその蟷螂を倒せ!!千代姫は無理すんな!わかったな!!」
『わかった!』
「気をつけろ!!」
「おうよ!!」
善逸を追いかけていった伊之助を炭治郎と見送り、鎌鬼に向き直る。
「妹はやらせねえよ」
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作者名:りんらん | 作成日時:2020年9月29日 18時