検索窓
今日:8 hit、昨日:21 hit、合計:66,331 hit

兄妹鬼2 ページ48

…が、目の前にはいない。

後ろ!?

今の一瞬で天元様の後ろに移動した…
なんて反射速度なの!?

お兄ちゃんと呼ばれた男の鬼は泣いている帯鬼をあやしている。

帯鬼はまた自分の頸をくっつけてしまった。

天元様と二人で鬼を狙うが、兄の方が放つ攻撃をくらってしまった。

「へぇ、やるなぁあ。攻撃止めたなぁあ。
殺す気で斬ったけどなあ。いいなあ、お前。
いいなあ」

一歩前に出た天元様が斬撃を止めてくれたおかげで、私は攻撃をくらわずに助かった。

あの武器は、鎌?

滴っているのは、血か?

白い肌に黒いシミ、痩せこけた身体付き…

帯鬼と本当に兄妹なんだろうか。

「『……』」

「お前、いいなぁあ。その顔いいなぁあ。
肌もいいなぁ。シミも痣も傷もねぇんだなあ。
肉付きもいいなぁあ。俺は太れねぇんだよなぁ。上背もあるなぁあ。縦寸が六尺は優に超えてるなぁあ。女にも嘸かし持て囃されるんだろうなぁあ」

妬ましい妬ましい。と、天元様を睨みながら
この男は喋る。

上弦の…陸。

兄妹で分裂している今分かるのは、
本体は間違いなくこの男の方だということ。

気配が違う。重みが…濁った感じだ。

嫌いな気の流れに顔をしかめる。

「そこの女は稀血かこりゃあ」

『…』

鎌鬼が私を睨みつける。

「お兄ちゃん!ソイツよ!その女がアタシの頸斬ったの!!二回も斬られたのよ!!」

「そうかぁあ。そいつは許せねえなああ。
お前は美味そうだぁあ。
お前一人で何百人、何千人分の御馳走だなあ」

『……ッ』

「じっくり嬲り殺して味わってやるからなぁ」

…この男、強い。恐怖心が体をすくませる。

今まで私を喰おうとした鬼の中でも
最も鬼舞辻の血が濃い鬼…!!

そう思うのは当然!!

「長いこと生きているがお前みたいな珍しい血は見たことないなぁあ。お前いいなぁあ」

鎌を振り回して、目に止まらぬ速さで
私を攻撃してきた。

『!!!』

「千代!!」

猛毒→←兄妹鬼



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (18 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
40人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りんらん | 作成日時:2020年9月29日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。