雪の少女は鬼を狩る 2【鬼滅の刃】 (ページ44)

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今行くからページ44

「甘いんだよ。この伊之助様には通用しねぇ」

そう言うと伊之助が自分の体の関節を外し、
みるみる穴に入り込んでいく。

「さあ、ついて来い！！ヌオオオ！！」

……いや、待て。
人間技じゃないんですけど…！？

『無理！さすがに無理！それは真似できないから！』

「俺は体中の関節を外せる男。つまりは頭さえ入ればどこでも行ける。グワハハハ猪突猛進！！誰も俺を止められねぇ！！ウオオオオオオオ」

『話聞けよ！！』

嗚呼……どうしよう。
置いてかれた。

でもこの下から気持ち悪い感じがする。

鬼がいるのは分かってる。
鬼とたくさんの人の気配を小さな穴から感じる。

『…ったく、』

！！！

鬼の気配…！！

わずかな風に乗って、強い鬼の気が流れてきた。

あの真面目な炭治郎が時間になっても来ないなんて、やっぱり何かあったんだ…！！

嫌な気配がするのは地下だけじゃない。

戦っているんだ。

炭治郎が、鬼と…！！

伊之助が向かった地下のものよりも強い。

『伊之助、ごめん。そっちは任せた！』

騒ぎ立てる人をかき分けて、店の外に出た。
鬼と炭治郎の方へ飛ぶ。

早く加勢に行かなければ…！！

ヒノカミ神楽で無茶してないといいけど…

私の嫌な予感は当たるんだ。

『今行くから…無事でいて』

ーーー

ーーー今度はいける。

鬼の頸が斬れる。

帯鬼の頸に刀を振り抜く瞬間…

グイッ

『息をしなさい、馬鹿炭治郎！』

「！」

ふいに、強い力で体を後ろに倒され、真横を
スゥゥ…っと冷たい空気が通り抜けた。

「ゴホッ、ゲホッ、ゲホッ、グッ…ゴホッ」

咳が止まらない。

苦しい…息が…

とっくに俺は体力の限界を超えていたんだ。

目の前が真っ暗だ。

自分の心臓の音しか聞こえない。

でも一瞬、体が引かれた時、よく知る声がした。

………千代。