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定期連絡 ページ41

ーーー

「千代、どうした?」

鯉夏花魁の部屋を出て、仕事に戻り、
夜に私たちは与えられた部屋で二人にしか聞こえない距離で話をしていた。

『うん…、あの二人大丈夫かなって…。
それに、やっぱりこの街はおかしいよ』

そうは思っても、今のところは異常がない。

せっかく潜入したのに鬼の尻尾も掴めない。

嫌な感じはするんだけど鬼の気配はしない。

気配を隠すのが巧いのか…?

「…ああ。明日になったらまた二人と宇髓さんと定期連絡がある。きっと二人とも元気にやってるよ」

『ん…そうだね』

「大丈夫だよ。千代は優しいな」

不安なのが分かったのだろうか、
あたたかい炭治郎の手が私の頭を撫でる。

安心する…。

一人じゃなくて良かった。

『早く、ここから抜け出したいよ…』


嫌な予感がするんだ。


それに、この街の夜の空気はあまり好きじゃない。


ーーー
ーーーー


次の日、今日もよく晴れている。
屋根の上にいると、太陽の光が近くて、暑い…

「だーかーらー!!こういう奴がいるんだってこういうのが!!」

『いや…うん』

「それはあの…ちょっと待ってくれ」

「こうか!?これならわかるか!?」

さっきから伊之助がこんな鬼がいたんだと
私たちに体で表現してくれているのだが、正直さっぱりわからない。

そして、被り物してない伊之助…
いつになっても慣れない。可愛い。

「そろそろ宇髓さんと善逸、定期連絡に来ると思うから…」

『二人とも遅いね』

「うん」

「こうなんだよ、俺にはわかってんだよ!!」

まだやってるし…


「善逸は来ない」

「「『!!』」」

天元様、いつの間に…
さすが元忍び…
風の揺らぎや気配すら感じなかった。

「善逸が来ないってどういうことですか?」

「お前たちには、悪いことをしたと思ってる」

『…それはどういう……』

善逸に何かあったんだろうか。

「俺は嫁を助けたいが為にいくつもの判断を間違えた。善逸は今行方知れずだ。昨夜から連絡が途絶えてる。
お前らはもう花街(ここ)から出ろ。階級が低すぎる」

……善逸が行方知れず?

「ここにいる鬼が上弦だった場合、対処できない」

上弦……
その可能性は高い。

鬼特有の気配。
強い鬼ほど、それを隠すのが巧い。

嫌な予感が当たりそうだ。

「消息を絶った者は死んだと見做す。後は俺一人で動く」

「いいえ、宇髓さん、俺たちは…!!」

「恥じるな。生きてる奴が勝ちなんだ。機会を見誤るんじゃない」

約束→←遊郭潜入3



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作者名:りんらん | 作成日時:2020年9月29日 18時

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