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遊郭潜入2 ページ39

ーーー炭治郎、千代 潜入中
ときと屋

ここに来てからずっと私は…

「女将さん、廊下の拭き掃除終わりました!」

『花瓶の水切り水揚げ水換え終わりました!』

次は何をしますか?と炭治郎と二人で仕事に励んでいた。

「女将さん次は!!」

「うるさいね、ちょっとお待ち!!仕事が早くて真面目な子たちだね!!ええと、つ、次はえーと…」

後から周りの女性たちに聞いた話だが、
私と炭治郎は仕事が早すぎて、女将さんを圧倒していたらしい。
普通に体を動かすために頑張って仕事をこなしていただけなのだが…

「炭子ちゃん、雪ちゃん、ちょっとあれ運んでくれる?人手が足りてないみたいで…」

「わかりました!鯉夏花魁の部屋ですね。すぐ運びます」

『わ、私も!』

さっき女将さんに、
「ちょっと落ち着きな!!じゃ、じゃあ…、アンタたち二人でこれでも畳んで!!」と言われ、炭治郎と衣類を畳んでいたら、頼まれごとをされた。

私は今、寂しがり屋な炭治郎の妹役だ。

どこにでもついて行く。

いや、炭治郎がついて行かないと私を無理やり連れて行くのだ。

片時も離れず…一緒。

「炭子ちゃんも雪ちゃんもよく働くねぇ」

「白粉をとったら炭子ちゃんの額に傷があったもんだから、昨日は女将さんが劣化の如く怒っていたけど…」

ああ、あれは凄かったなぁ…

「はい!働かせてもらえてよかったです」

炭治郎…良い子や…

女装しててもやっぱり炭治郎だ。

最初はもう変な風に天元様に白粉を塗りたくられて酷かったが…

見慣れたんだろうか。

もう、可愛くなってきたよ?

炭治郎は元々美形だし、目も綺麗だからなぁ。

やっぱり素が違うと…

「行こう、雪!」

ああ、なにその化粧…
白粉とったのにほっぺた可愛いぃ!

『うん!』

……あのね、炭治郎。

普通の女の子は両手に山積みの荷物を持ち上げて運んだりしないよ?

てか、私の分は?

「雪は付いてきて」

『少し持つよ?』

「ダメ」

厳しい、お姉ちゃん…

善逸と伊之助はうまくやっているだろうか?

「鯉夏花魁の部屋は…」

『ええと、ここかな?』

部屋に着くと二人の女の子がヒソヒソと噂話をしていた。

その会話の中で気になる単語があった。

足抜け?

足抜けとは、借金を返さずにここから逃げることだそうだ。見つかったらひどい目に遭う。
好きな人と逃げきれる人もいるんだとか…。

「こないだだって、須磨花魁が…」

「『!』」

須磨さん!ようやく名前を聞けた!

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作者名:りんらん | 作成日時:2020年9月29日 18時

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