鬼が巣食う山1 ページ4
『炭治郎…、伊之助…、善逸…、どこぉ〜？』
どこ行ったの！？ここどこ！？
この山から感じるすごい禍々しい気の流れ…
鬼が複数体いるのも分かる。
今までで一番強く、鬼舞辻に近い気の流れだ。
体が竦んでしまう。
……早くみんなを探さなきゃ！！
骨折が癒えた頃、緊急の指令が入った。
四人共々、那田蜘蛛山へ一刻も早く向かうこと。
山の近くまで来たはいいが、
傷だらけの隊員が山の中に引きずり込まれ、
炭治郎と伊之助はそれを追って行ってしまった。
善逸は、何かを思い出したかのように
叫びながらすごい速さで山の中に入って行ってしまい…
こんな山の中で私は現在一人ぼっちだ。
しっかり者の炭治郎のことだ。
きっと伊之助と一緒に鬼を探しているはず。
まずは善逸を探そう！
善逸の声、呼吸音、気配、気の流れ…
何かこの広い森の中で見つけられるものを探れ！
神経を集中…
気配の察知と襲撃に備えて全集中の呼吸の継続を忘れるな！！
『！』
ふいに何かが足元に飛んできた。
糸？
後ろに飛んで避けると地面に広がる蜘蛛の巣。
ネバネバしている…
捕まれば抜け出すのが難しそうだ。
「あら？避けられちゃった」
木の後ろから白い女の子の鬼が出てきた、
複数いる…この山に巣食う鬼の一人。
「あなた、こんなところで何してるの？私に喰べられに来てくれたのかしら？」
『……友達を探してるの。それに私はアナタが思うほど美味しくないと思うよ？』
「そんなの、喰べてみないとわからないでしょ！！」
白い鬼は手をこちらに向けると、
手の平から白い塊を次々と放ってきた。
それを呼吸を使いながら避けるが、
攻撃範囲が広い！！
放たれた白い塊が空中で弾け、
粘着性のある大きな蜘蛛の巣になって
襲いかかってくる。
避ける最中、木が邪魔して片足が、糸に絡まった。
「私の攻撃をそれだけ避けるなんて…凄ぉい！
それにアナタ凄く美味しそう…♡
私の保存食にしてあげるわ。安心して？
一気に喰べたりしないから。
少しずつ少しずつ体を千切って喰べてあげるから！！」
『歪んでる…』
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作者名：りんらん | 作成日時：2020年9月29日 18時
