目覚め ページ26
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『ふぁぁ…』
ーーー車内にあくびが一つ。
『ん?あれ?』
……良かった生きてる。
首を触ってみたけど、大丈夫みたいだ。
『みんな寝てる…炭治郎だけいないね』
周りを見渡すと仲間たちや乗客は寝ているし
そのうち何人かはその場に倒れている。
「ムー!!」
『わっ!禰豆子ちゃん!』
ガバッと相変わらず凄い勢いで抱きつかれて眠気が吹っ飛んだ。
『私寝ちゃってた?』
「ムムー!!」
『そっかぁ…。懐かしい夢を見たんだ。
…うーん、なるほど。この列車に出るっていう鬼に遊ばれちゃったわけね』
その場の大体の状況を理解した。
起きた時、手に焼き切れた綱が付いていた。
おそらく禰豆子ちゃんが燃える血で焼き切ってくれたんだ。
それに切符から微かに知らない鬼の気を感じた。
こんな面倒で細かな細工…随分と注意深い鬼だ。
『炭治郎は鬼を追っていったの?』
「ムー!!」
『わかった。私もなんとかしてみるよ!
禰豆子ちゃんには寝ているみんなを守ってほしい。…できる?』
私の言葉に禰豆子ちゃんは力強くうなづいた。
『頼むよ、ムー子』
禰豆子ちゃん改め、ムー子。
最近二人の時はそのあだ名呼びが定着した。
ムームー何かを伝えようとしてくれるのが可愛い。
任せて!とでも言うように胸を張る。
ムー子の頭を撫で、ひとまず前方車両側へ急いだ。
『人の夢の中に…心の中に土足で踏み入るなんて、
許せない!!』
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作者名:りんらん | 作成日時:2020年9月29日 18時