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夢の中 ページ24

ーーー
ーーーー


(あれ?雪だ…)

こんなに降り積もってる…今冬だっけ?


ーーー家だ。
ーーーここは私の家。

なんで?

いつ、帰ってき……!!


「あら、千代」


!!?

家の中から出てきた、この人は…

いや、間違えるなんてない。

だって、だって母さんは…母さんっ

ぎゅっと母さんの体に抱きついた。


「おかえり」


優しく受け止めて頭を撫でてくれる。

私と同じひんやりした手だ。

ああ…母さん、母さんだ。


会えたことが嬉しくて、

ごめんねを言いたくて、

ありがとうを言いたくて、

ただただ涙が溢れた。


「またこんなに泣いて…。もう、寂しがりやさんね。少し外に出ただけでしょう?」

『母さん!私、私ね!母さんに話したいことがたくさん、あるの!』

「あら、どんな話かしら?」

あるよたくさん。

母さんに話したいこと。

きっと母さんは驚くだろうなぁ。



「千代、お友達が出来たの?」

『うん!出来たよ!みんな素敵な友達なんだ!』

「まぁ!凄いわね!」

『でしょ?千代は千代なんだからもっと自信を持ってっていつも私を引っ張ってくれて……。母さん、なんだか嬉しそうだね』

「千代が嬉しいと私も嬉しいのよ」

『へへ』



幸せだなぁ…

離れたくない。
もうここから、この幸せを失いたくない。


調理場に立つ母さんをボーっと眺めながら、
そう思った。


ーーー


『!!』

何?

頬が、あたたかい。

自分で触ってみるけど何もない。

何か触れたわけじゃないのに…

これは人の手のあたたかさ。

知ってる。

私の大好きな…体温。

その手に頬を包まれている感覚。



『炭、治郎……?』



突然、ボウッ……と音を立てて体が燃えた。
こ、今度は何!?

なんで、私…、燃えてるの?



『こ、これは… 禰豆子、ちゃん?』



この炎からはよく知る鬼の気配と気が混じっている。

火を…火を消さなきゃ!


母さんは今裏口に回っている。

玄関の戸をあけると、外は吹雪になっていた。

まだ凍っていない川に急いだ。


炭治郎… 禰豆子ちゃん…

二人の顔が浮かぶ。


どうして今なんだろう。
私はここで母さんと幸せな暮らしをしていけるのに…



川に誰かいる。

映り込んだ私の姿…

川に沈む私に引っ張られ、私の体は真冬の冷たい川に沈んだ。




『起きて!!これは夢!!攻撃されてる…っ』

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作者名:りんらん | 作成日時:2020年9月29日 18時

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