炎柱 ページ22
「うおおおお！！腹の中だ！！主の腹の中だ
うおおおお！！戦いの始まりだ！！」
「うるせーよ！！」
伊之助は、千代ちゃんにもらった布をマントのように羽織り、興奮気味に騒ぎ出す。
「うまい！うまい！うまい！うまい！」
「うまい！」の声が車内に響き渡った。
『あ、いたいた。煉獄さーん』
目的の人物を見つけると、千代ちゃんはその人のところに駆け寄って行った。
「千代…あんなに人見知りしなくなって…成長したなぁ」
それをみた炭治郎は静かに感動の涙を流していた。
お前は親か。
近づいてみるとすごい数の弁当を山積みにしながら「うまい！うまい！」と弁当を食べ続けていた。
「あの人が炎柱」
「うん…」
「ただの食いしん坊じゃなくて？」
「うん…」
炭治郎に耳打ちするが、やはりこの人が炎柱らしい。
『煉獄さん、列車旅満喫されてますね〜』
「うまい！」
千代ちゃんがほんわか話しかけても
本人からは「うまい！」としか返ってこない。
『……』
「うまい！」
『あ、もうそれはすごくわかりました』
「やや、雪の少女ではないか！」
『ご無沙汰してます、煉獄さん』
「千代ちゃん知り合いなの？」
『うん！この前町に買い出しに行った時に荷物が持ちきれなくなっちゃって困ってたら、煉獄さんが助けてくれたの！そのあとちょっとだけ稽古もつけてくれてね』
「雪の少女は筋が良い。俺の継子になるといい。面倒を見てやろう！」
『そ、そんな恐れ多い…』
千代ちゃんが遠慮していると、
「まあ座れ！」と誘導され、それぞれ席についた。
炭治郎は煉獄さんの隣。
俺は伊之助の隣で、千代ちゃんは伊之助に目の前に強制的に座らされていた。
それから炭治郎が煉獄さんに
「ヒノカミ神楽」や火の呼吸について聞いていたが知らないと問答無用で話を切られていた。
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作者名：りんらん | 作成日時：2020年9月29日 18時
