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親分と子分 ページ3

『あ、伊之助ここにいたのね』

「何か用か?」

『ううん、少し夜風に当りに来ただけ』

縁側ってやつだ。
部屋の外にいたらなぜかこいつが来た。

「炭五郎はどうした」

『今善逸と禰豆子ちゃんと追いかけっこ中』

千代…こいつはなんか不思議だ。
一緒にいると、ホワホワする。

そして足音がしねぇ…浮いてんのか?

『お団子食べない?』

差し出された白い…団子…、餅か?
串に刺して餡がかかっていた。

山の主の皮を上に上げ、団子にかじり付く。

うめぇ…!!

『みたらし団子。美味しいよね〜。
ねぇそれ、伊之助の宝物なの?』

こいつは山の主の皮を指差して言う。

「まあな!強そうだろう!俺は強い!!誰にも負けねぇ!!お前にもな!!」

『うん、カッコいいね!』

目をキラキラさせて、顔を見つめてくる。
なんだ…?こいつから目が離せねぇ…

この前話を聞いたが、こいつは雪ん子の血が混じってるらしい。

だからこいつはこんなにひんやりした感じなのか?

炭八郎はああ言ってたが、ホントにつえーのか?

勝負しようとするといつもあのうるせぇ二人に止められるしよ。

「…っ、お前だって、雪山の主の面を付けてんだろうが」

『あぁ…コレ?ふふ、そうだね。これは私の宝物だよ』

大切そうにそれを撫でる千代、雪山の姫…

「お前の言う、その友達ってのになれば、お前は俺の子分になるってことなんだよな?」

前にこいつが友達がどうのって言ってた。
その友達がこいつにとっては特別なんだろうたぶん。

なら山の王として、雪山の姫の願いに応えてやらんこともない。

『…んー、子分?伊之助がいつも言ってる親分子分てやつ?…まあ、そういうことになるのかな?』

「ふん、いいだろう。可愛い子分の頼みだ!この伊之助様がお前の友達とやらになってやるぞ!」

『わぁ、ありがとう!よろしく…親分!』

「おうよ!!」

ホワホワホワ…

なんだ、これ!なんだこれ、なんだこれ!?

あいつが、千代が笑った時、すげーホワホワした。

一体何しやがった!?

「千代ー」

『はーい!』

あいつは今、炭五郎に呼ばれてすぐ後ろの部屋に戻っていった。

『た、炭治郎炭治郎』

「どうした千代?何か良いことでもあったのか?」

『伊之助と友達になれたよ!』

「そうか!凄いじゃないか、どんどん友達が増えていくな」

『うん!』

嬉しそうな千代の声が聞こえて、さらにホワホワした。
なんなんだ…?

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作者名:りんらん | 作成日時:2020年9月29日 18時

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