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列車 ページ20

ーーーそして、
みんなで泣きながら蝶屋敷に別れを告げ、
4人は「駅」に向かった。


「えーーっ!!まだ指令きてなかったのかよ!!
居て良かったじゃん、しのぶさんちに!!」

「いや……、治療終わったし、一か所に固まっているより「あんな悲しい別れをしなくても良かっただろ!!バカバカバカァ!!」

善逸は炭治郎をボカボカ叩きながら騒いでいる。

『ちょっと、善逸落ち着いてっ』

「オイ」

「今忙しい!!」

「オイ!!オイ!!」

「何だようるさいな!!」

千代がなだめても落ち着かない善逸の怒りの声も聞かず、伊之助が興奮気味で声を上げた。

「なんだあの生き物はー!!」

そこには黒くて大きくて長い…
でも生きている感じがしない。
なんだろう?と千代は首を傾げた。

「こいつはアレだぜ、この土地の主…。この土地を統べる者。この長さ、威圧感、間違いねぇ。今は眠ってるようだが、油断するな!!
千代姫、お前は下がれ危険だ」

『は、はい!親分!』

いつしか伊之助は千代を姫呼びが定着し、
千代はたまに伊之助のことを親分と呼ぶようになった。

「いや汽車だよ。知らねぇのかよ。
てか、千代ちゃんまで伊之助に乗らなくて良いから!」

「シッ!!落ち着け!!」

「いやお前が落ち着けよ」

「まず俺が一番に攻め込む」

「この土地の守り神かもしれないだろう。それから急に攻撃するのも良くない」

『さすが炭治郎!たしかにそうだね』

「いや汽車だって言ってるじゃんか。列車わかる?乗り物なの。人を運ぶ。この田舎者が。
意気込んでるとこ悪いけど、千代ちゃんは何でもかんでも信じて人に合わせなくて良いからそのつもりなくても。そんな素直で天然なところも可愛いけど!」

「猪突猛進!!」

ドーンと何かがぶつかる音がすると思ったら、伊之助が列車に頭突きしていた。

「やめろ恥ずかしい!!」

『っ、誰か来るよ!』

千代が気付くや否やピピーッと笛を鳴らしながら駅員らしき人が駆け付けてきた。

「何してる貴様ら!!」

「げっ!!」

「あっ、刀持ってるぞ…!!警官だ警官を呼べ!!」

「やばっ、やばいやばいやばい!逃げろ!!」

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作者名:りんらん | 作成日時:2020年9月29日 18時

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