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全集中・常中 ページ17

私だけがなぜカナヲの動きを捉え、捕まえることができたのか。
ここ数日で分かった。

呼吸だ。
これは、全集中の呼吸。
元々特異体質で体温が上がりにくい上に、肺がなかなか大きくならず、酸素をたくさん肺に取り込むのが
最初は本当に大変だった。

毎日毎日、鱗滝さんに教えてもらった全集中の呼吸を練習していたせいか、
それが癖になり、そのまま自然と継続してできるようになったようだ。

ーーー全集中・常中

聞いた話では、柱の皆さんや継子であるカナヲも
この呼吸法が使えるらしい。

私もまた少し強くなれたのかな…?

「千代さん千代さん」

座禅を組んで考えていると、後ろから小さな声が聞こえた。

『ん?ああ、ごめんね。なほちゃん、きよちゃん、すみちゃんどうしたの?みんなそろって…』

後ろにいたのは、ここで一緒に過ごす間に仲良くなり、こんな私に懐いてくれた可愛い三人娘ちゃんだった。

「あ、あの!炭治郎さんいつも頑張ってるので私たち何かしてあげたいんですが…何が喜ばれるか分からなくて…」

『そっかぁ…』

優しい子達だなぁ。

この子達の目線になるようしゃがんでお礼を言った。

『みんなありがとう。炭治郎を気にかけてくれて』(ニコッ

「「「はい…///」」」

『そうだな〜、訓練終わったばかりだと思うから、手拭いとか何かお菓子とかを持っていってあげたら喜んでくれるんじゃないかな?』

「わかりました!ありがとうございます!」

『は〜い』

ーーー

「炭治郎さん、あのぅ…」

振り向くと女の子三人がもじもじと手拭いを渡してくれた。

「わぁ!ありがとう助かるよ!」

「いえ!千代さんの言う通り、喜んでもらえて良かったです」

「千代が?」

「はい!千代さんに炭治郎さんになにか渡せるものがないか聞いてきたんです」

「そうしたら、訓練が終わったばかりだと思うから手拭いとお菓子がいいって教えてくれて」

「千代さんは、いつも私たちの面倒まで見てくれるんです!」

転んだところを助けてくれたり、手の届かないところの洗濯物や庭の掃除などを手伝ってくれて、と目を輝かせながら話してくれた。

俺の知らないところでみんなと仲良くできてるんだなぁ…良かったぁ

「私も千代さんみたいに優しくて強い人になりたいです」

「なれるよ!きっとね!」

パァァ

俺がそう言うとみんな明るい顔になった。

それからおやつをいっぱいもらってしまった。
あとで千代と一緒に食べよう!

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作者名:りんらん | 作成日時:2020年9月29日 18時

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