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第3章15話 ページ16

ぐちゃり、

べちゃり、



「__満足かね?其れで十人目だよ」


白衣を羽織ったリンタロウが困ったように眉を寄せ、地面に座っている私に云った。

口角を上げ、顔にはいつも通りの笑顔を作り、リンタロウへと顔を傾けた。


「まだまだに決まってるでしょ〜?」


私が座っている所には血の水溜りが広がって出来ている。異常な程の血の量、手足の白い頬は血で染まり、飛び散る血が身体中にへばり着く。

ぐちゃり、ぐちゃり、と何度も何度も右手を上下に振り下ろしては上げる。その度に周りに飛ぶ赤はとても綺麗で、美しい。

足元に転がる塊、周りには"ヒト"であった塊の残骸が散らばって血の水溜りに沈んでいる


之で十人、けれど未だ足りない


「もっとちょうだい。もっと、もっともっと…!」
「Aくん、之以上は只の犠牲を生むだけだ。之で止めたまえ」
「止める?ふふ、何云ってるのリンタロウ。之からじゃないか、この先が一番愉しいんだよ?刺激がくるんだよ?止めるわけないでしょう?」
「…はぁ、」


可笑しな事を云うものだ。之を止める分けないでしょう?この方法が一番人間を知れる。私が好きな理想でも偽りでもない、幻想的ではなく、物理的に身体を診れるのだ。

もう一人、と私は次の子を探す。誰にしよう?小さな鳥籠の中で怯えるヒトたち。嗚呼、その目はゾクゾクするねぇ?私の好奇心に揺さぶりを掛けるなんてさぁ

然しそんな中で一人、私は観た。

全てを諦め、死の淵に立つ失望者の瞳を持った子供を。

私は自然とその子に手を伸ばそうとした時、


「もうお止め、Aくん。」
「…リンタロウ?」


私の手首を掴んだリンタロウは、悲しそうな目を向けて私を見た

あーあ、今日はこれで終わりかぁ


「時間だよ。首領が君を呼んでいるからね、さっさと其の汚れた服を脱いで身体を綺麗にしてから、彼の人に会いに行こう。そのままだと、父親が心配するだろう?」
「……うん!そうだね!パパは綺麗でイイこのAを待ってるもんね!」
「そうだとも。ほら、私に掴まって?一緒に綺麗にしに行こう」
「はーい!」


背の高いリンタロウに抱き着くと、血に濡れた私を抱き締める彼。白衣は赤色へと染まり、血の臭いが移っていく。

其れらに背を向けて歩くリンタロウに抱き抱えられ、私が散らかした其れらを視界に入れた

壁に飛び散る血、床には血の水溜りとヒトの塊、其して鳥籠に閉じ込められたヒトたち


私は手を振りながら


また後でね、と云い残した

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竹薮 - 面白いです。個人的に夢主が怖くて好きです。更新頑張って下さい。応援してます! (2018年2月17日 13時) (レス) id: 9078c77c1b (このIDを非表示/違反報告)
黒桜姫(プロフ) - 七葉さん» 有難うございます。早く原作突入出来るように頑張りますね (2017年12月6日 23時) (レス) id: 5de5d502f1 (このIDを非表示/違反報告)
七葉 - 続きがとても気になります!楽しみにしてます、更新頑張ってください! (2017年12月5日 21時) (レス) id: 88ee75b376 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒桜姫 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年12月5日 2時

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