12話 ページ13
この数カ月、僕は改めて思い返した。Aという首領の娘は普通の子供ではいこと、而して只者ではない事だけは分かったこと。僕の行動をすべて把握し、自傷行為なるものを全て阻止してきた。その裏には計画性があることも読み取れた。小学生とはここまで頭が回るだろうか?例え天才だとして、相手の表情まで読み取れるものだろうか?僕もまだ子供に過ぎないが、少女…いや、幼女相手に気づかれるほど嘘をつくのは下手ではない。この裏社会で生きてきたのだ。そう易々と見抜かれてたまるものか。だが、A嬢は見破って見せた。それが計画性なのか、或いは無意識なのか。僕は前者をとりたい。何せ首領の娘だ。首領が普通の学校に通わせ、マフィアに関わらせていないのも事実。然し決してすべてをマフィアに関わらせていないという訳では無い。実際にA嬢には人の死を見せたと聞いている。確か4歳の頃だったか、少女の母親が目の前で殺された。首領の手によってね。その時の記憶はないらしいが、森さんから聞いている。
相手は只の子供。周りはそう云うが、僕は決してそうは思えない。ここまで疑問が数々ある。少女の考えることが読み取れない以上、相手の得体がしれない。そんな不明な存在に僕は数ヶ月共に過ごした
見た目は本当に良く笑う可愛らしい少女。その辺の子供とは違い、将来美人になるだろうと思わせる程ずっと見ていたい顔を持っている。笑顔は人を癒し、暖かくする。その言葉通りの少女なのだ、A嬢は
マフィアに似合わない。この言葉が合っている
性格は元気過ぎて疲れるところもあるが、不思議と一緒にいて嫌な気はしなかった。其れが今では"当たり前"となってしまった
数年少女を護衛し、数ヶ月接触し過ごした。殺しのことなんて忘れるぐらい、死ぬことを忘れるぐらい。
別に少女を信用したのではない。否、今僕の中では一番警戒している人物だ。この少女には裏があると見ているから
では此気持ちはなんだ?
初めて感じる感覚に対して疑問が浮かぶ。
然し知りたくない、知ってはいけないような気もするのだ。知ってしまったら、僕ではいられなくなるかも知れない。
「……、…嗚呼…、、……心中したい……」
死にたい。死にたい。死にたいよ…!
自分じゃない。之は僕ではない…!
只、死にたいだけなんだ…僕は…。
「あ、いたいたおさっ…!治?…!治大丈夫!?」
「…ぁ…A…じょ、…う…ッ…」
「っ…!」
そこで僕の意識は途切れた
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竹薮 - 面白いです。個人的に夢主が怖くて好きです。更新頑張って下さい。応援してます! (2018年2月17日 13時) (レス) id: 9078c77c1b (このIDを非表示/違反報告)
黒桜姫(プロフ) - 七葉さん» 有難うございます。早く原作突入出来るように頑張りますね (2017年12月6日 23時) (レス) id: 5de5d502f1 (このIDを非表示/違反報告)
七葉 - 続きがとても気になります!楽しみにしてます、更新頑張ってください! (2017年12月5日 21時) (レス) id: 88ee75b376 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒桜姫 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年12月5日 2時