27話 ページ29
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サァ......_____。
風が強く吹く。風に載せて気の葉も踊っているようにゆらゆらと浮いていく
日はすぐに落ち、ひたすらに僕はあの子の帰りを待った
「藍染隊長〜、Aちゃん遅いなあ」
「...そうだね」
「もう夕方過ぎとうのに...、どっかで居眠りしてるんちゃいますぅ?」
「いや、その可能性は低いよ。彼女は用事がない限り外へは出ない」
「ほーっ。ほな待つしかあかんなあ」
言ってることは正しい。Aは意味ある行動しかしない。彼女が何かを見つけたとなると、帰りが遅いのはなにかあるに違いない
__ただ、
「Aの霊圧が感じないのは...可笑しいね」
普段は僕に分かるぐらい小さな霊圧を出しているんだが、今回は全く感じない。それはもう、浦原喜助が作った霊圧を感知させないマントと一緒の様に_
A、君は一体何処にいるんだい
僕の心の声が届いたように、風が中庭で小さな竜巻が現れた
そして、次第に身に感じる穏やかな霊圧
「...A?」
段々竜巻の中から見えてくる黒い影。きらりと暗い夜にしては輝かしい白色の長い髪。僕がプレゼントした、赤いリボンがふわふわと踊る
そして、僕が大好きな赤い目の持ち主
彼女が、目の前に現れた
「ただいま、そぉちゃん。」
「...おかえりA。随分と遅かったね」
「えへへ...。ちょぉっと、遊んできたの」
子供が悪戯したかのように笑うAに、僕はその小さな体を抱き抱えた。
小さな手が僕の頬に触れる。ひんやりとした温度が心地よく、Aの手にすがりつけた
「心配したよ...、急に霊圧が消えたものだから」
「...あ、」
「今気づいたって顔やね。やっぱりAちゃんは天然やわー」
「天然じゃ、ないっ...。ただ...忘れてたの」
「それを天然言うんやで」
なる程。何については後でAが教えてくれるだろうから聞かないが、何事も無かったので一安心
「ごめん、ね。しんぱい、かけた...ね。もう、しないから」
「ううん、別に構わないよ。ただ霊圧を隠す時は一度僕に言ってね?心配でたまらないんだ」
「...うん、次からは...そうする」
彼女の首元に顔を埋め、匂いを嗅ぐ。うん、やっぱり日向の匂いがとても心地いい
「(あかんでこの空気は)...そな、ボクはこれでお暇します。Aちゃん、また明日な」
「...うん、バイバイ」
...最近ギンが空気を読むようになったね
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るな(プロフ) - どうか続きを恵んでください(,,> <,,) (2023年4月28日 19時) (レス) @page34 id: 2ee13aea9b (このIDを非表示/違反報告)
悠月(プロフ) - 更新楽しみに待ってます! (2020年5月20日 22時) (レス) id: 96d594e2d8 (このIDを非表示/違反報告)
アイ - この小説が好きです。更新ずっと待ってます! (2019年5月8日 10時) (レス) id: 89b2a9b2ce (このIDを非表示/違反報告)
yurun(プロフ) - 更新再開ホントに嬉しいです!!この小説大好きなんです!!頑張ってください!! (2017年9月27日 0時) (レス) id: fab1742305 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜姫(プロフ) - ドーナッツ(´ε` )さん» 報告ありがとうございます!すぐに訂正しますね! (2017年3月23日 10時) (レス) id: 50760fe743 (このIDを非表示/違反報告)
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