12話 ページ14
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ぽかぽかと、ギンと気持ちよく日向ぼっこをしているとカラカラと下駄の音が聞こえた
なんだろう....?ギンと顔を見合わせ、音の方へと視線を送ると
「あれ、和美サンじゃないっスか」
「......きすけ..?」
隊長羽織を身につけた無気力丸出しな、きすけ。
手をひらひらさせながら近づいてきて、わたしの隣に座った。
「気持ちいいっスね〜、日向ぼっこ」
「....うん」
浦原喜助。九年前に新しく十二番隊の隊長になった元二番隊三席
そして、そうちゃんが最も警戒する男のひと
「いや〜、まさかこんなに気持ちのいい場所があったとは。アタシ、感激っス」
へらりと笑うきすけ。わたしは、閉じられそうだった瞳を大きく開いた
「どうして、分かりはったんです?ここボクらしか知らない筈なんやけど」
「あー、それはですね。貴方をちょうど見掛けたんで成行きでついてきたんスよ。ダメでした?」
「なんや付いてきてたんかいな。卑怯やで、隊長はん」
「.......きすけ、らしい..ね」
成行きで、付いてくるものなのか。
きすけは、変わってるから、分からないけど
わたしは、一瞬だけ....その瞳の奥に裏がある事が分かった
「ボク、あなた苦手ですわ」
「おやおやそれは悲しいっスね..」
ギンにもわかるのだろう。
きすけが、何を考えてるのか
惣ちゃんが警戒するのは、一つ
強さではない
賢さでもない
危険なのは、
この男の、探るような目が危険なのだ
何かを知ってそうで、誰よりも真相を知ってそうで
一番、厄介な人だと
「.......いつか、」
いつか、必ず。
彼はわたしたちに追いつく。
きっと、誰よりも先に
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るな(プロフ) - どうか続きを恵んでください(,,> <,,) (2023年4月28日 19時) (レス) @page34 id: 2ee13aea9b (このIDを非表示/違反報告)
悠月(プロフ) - 更新楽しみに待ってます! (2020年5月20日 22時) (レス) id: 96d594e2d8 (このIDを非表示/違反報告)
アイ - この小説が好きです。更新ずっと待ってます! (2019年5月8日 10時) (レス) id: 89b2a9b2ce (このIDを非表示/違反報告)
yurun(プロフ) - 更新再開ホントに嬉しいです!!この小説大好きなんです!!頑張ってください!! (2017年9月27日 0時) (レス) id: fab1742305 (このIDを非表示/違反報告)
黒桜姫(プロフ) - ドーナッツ(´ε` )さん» 報告ありがとうございます!すぐに訂正しますね! (2017年3月23日 10時) (レス) id: 50760fe743 (このIDを非表示/違反報告)
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