脱お非〜リア。izw ページ8
彼氏いない歴＝年齢
こんな私を誰が拾ってくれるのか。
「ねぇ拓司聞いてる！？！？」
「聞いてる聞いてる」
いつまで経っても変わらぬ返事に内心悲しみながらも酒を煽る私と、東大生クイズ王兼、某株式会社社長伊沢拓司。
なんでこんなすごい人が私の話を聞いてくれるのだろうか？
答えは単純、幼馴染だからだ。
「だってリア充になりたい！あわよくばリア王になりたい！お非〜リアのままクリスマス迎えたくない！」
「じゃあはやく告白すればいいじゃん？」
「それが出来たら騒いでない！」
「ごもっとも」
彼氏いない歴＝年齢であって、
好きな人いない歴=年齢では無い。
なんなら今も居るよ。ほら、目の前に。
「私ってそんないいとこないかな〜」
「少なくとも酒煽ってそう言ってる間は難しいだろ」
「んな辛辣なこと言わないでさ〜」
あぁ悲しい。好きな人にド正論ぶちかまされても嫌いにならないのはそれだけ好きってことなんだろうな。
「ねぇ拓司は好きな人いないの〜？？？」
言った直後に気づく。お酒が回ってるからって何爆弾発言してるんだ私。取り消さなきゃ。
「ってあれだよね〜拓司を好きな人なんて何千人といるから選び放題だよn「いるよ」……ほんと？」
ばーか。はいこれで終わり。全部全部酔っ払った勢いで喋った数分前の私のせいだ、屈葬。
「……どんな子？？？」
もうやけくそじゃい。
「むちゃくちゃ馬鹿で阿呆で鈍感な子。」
「へ〜そうなんだ〜」
どこがいいのかさっぱり分からないが拓司のことだ。相当好きなんだろうね。
「おまけに仲良いからって男である俺の目の前で酒煽ってギャーギャー騒いでは寝て」
好きな人の好きな人の話なんて聞いてて虚しくなってくる。
「男に隙を見せたら何をされるか分かんねぇのにさ」
話聞く気にもなれないや。ごめんね拓司。
「ここまで言われても気づかないとんだ阿呆だよ。」
あぁ一生お非〜リア確定だね。おめでとう私。
「なぁA話聞いてた？」
「ん、えぇ聞いてるよ〜？」
「聞いてないじゃん」
「ごめんごめん」
「もう1回言うから次はちゃんと聞けよ人の話」
聞きたくない。
「簡潔に言うと」
辞めて。
「俺の好きな人は」
いや。
「A」
「へ？」
へ？
「いつまで経っても俺の気持ちに気づかない馬鹿で阿呆で鈍感で、でもそんなとこがめっちゃ好きなんだそいつの。だから簡単な言葉じゃないと伝わらないかな。」
「Aのことが好きです。付き合って下さい。」
脱お非〜リア
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作者名：しろまる | 作成日時：2019年8月6日 14時
