惹かれてしまったから。(短編集) (ページ4)

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続き3 ページ4

本を読んでいたが、あまりにも不機嫌そうに作業をする伊沢さんが気になって、本を読もうにも進まない。

でも、声をかけて邪魔はしたくないので、少し離れたところに座ろうと思って、席を立った。

すると、

伊｢ねぇ、どこ行くの？｣

？

『少し向こうのソファに座ろうと思いまして。』

そう言うと無言で伊沢さんは椅子をくるりと回転させ、こっちを向いて手を広げてきた。

あぁ、可愛い。
そう思いながら、私は伊沢さんの膝の上に向かい合うように座った。

『お仕事お疲れ様です。』

そう言うと、無言で伊沢さんは私の肩に顔をうずめてくる。
相当疲れていたのだと思い、頭をポンポンと撫でると。

伊｢ねぇ、Aは俺の事好き？｣

あぁ、呼び捨てにしてくるってことは相当何かきてるんだな。こんな当たり前のことを確認してまで。

『どうしたんですか？』

こうやって確認してくるということは伊沢さんが不安になっている証拠、そんな不安になることあったか？なんて思ってると。

伊｢Aが皆と仲良くするから。｣

顔をうずめたまま、そう言って来た。

『え？』

伊｢だって川上とずっと距離近いし、いつの間にか山本とはタメ口で話すようになってるし、須貝さんには頭を撫でられて機嫌よくなってるし。｣

あぁ、これが所謂【嫉妬】というものなのか。

伊｢だっせぇよな、俺。｣

そんなに耳を真っ赤にして言われたら、流石に私も照れてしまう。

『え、えっと…私も、ちゃんと伊沢さんのこと好きですよ。』

こんなことを言って照れてしまう私は、とうに伊沢さんのことが大好きなんだろう。

伊｢ずるい、｣

そう言って伊沢さんは私の顔を覗き込んでくる。
あぁ、顔が真っ赤になってる。

『そうですか？』なんて笑うと、不意に彼が私の首に触れるだけのキスをしてきた。
跡が残るほど強くないが、やはり少し感じてしまう。

伊｢ビクッてしてるけど？｣

『貴方のせいですよ。』なんて言って。

きっと、私の顔は彼よりも真っ赤なんだろう。

伊｢これ以上は歯止めが効かなくなるからね。｣
そう言って私を抱き締めていた手を離し、私は立ってソファの方へ移動する。

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やっとここですか。

続きます。