41話 ページ41
鏡越しに志麻がそう言えば
坂田がしゃくりあげながら、目にいっぱい溜めた涙を零す。
「……だって……！！」
「これは、願掛けなんやから。坂田が泣く必要ないんやで？」
「願掛け…？」
「センラさんの病気がよくなるように、乗り越えられるように。願掛けしてんねん。」
「……わかった。」
坂田の持ったバリカンが音を立てて、志麻の髪を剃っていく。
その姿に、耐えきれなかったのはうらただった。
しゃがみ込んで顔を覆ううらたに
坂田も時々流れる涙を乱暴に拭いながら、志麻の髪にバリカンを当てていった。
静かな機械音と
涙と鼻を啜る音が響いて
家の鏡の前、坊主姿の志麻は満足そうに笑って見せる。
当日
志麻が、センラの髪を切ると約束した日。
病院側が病室ではなく、病院に入っている美容室を使ってもいいと言ってくれた。
車いすでそこまで向かう手筈のセンラのもとに
やって来たのは志麻だけではなかった。
「あれ…？うらたん……さかたんまで…。」
志麻は紫色のニット帽、坂田は赤いニット帽、うらたは緑のニット帽
不自然にお揃いのその姿にセンラが首を傾げれば
「いっせーのーで！」
と、取られるニットの帽子。
その下の、お揃いのスキンヘッドに、センラは絶句した。
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Cocolu(プロフ) - よにんさん» ありがとうございます！ (2020年5月21日 15時) (
レス) id: bd3435a044 (このIDを非表示/違反報告)
Cocolu(プロフ) - まぐさん» コメントありがとうございます！更新頑張ります (2020年5月21日 15時) (レス) id: bd3435a044 (このIDを非表示/違反報告)
よにん - 面白いです！応援してます！ (2020年5月19日 0時) (レス) id: c1827a7d57 (このIDを非表示/違反報告)
まぐ(プロフ) - 久しぶりの更新凄く嬉しいです！この小説ほんとに大好きなんです...！！これかも応援してるので無理ないペースで更新頑張って下さい！ (2020年5月18日 22時) (レス) id: a131524162 (このIDを非表示/違反報告)
Cocolu(プロフ) - あおいさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年1月27日 19時) (レス) id: bd3435a044 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Cocolu | 作成日時：2019年8月13日 21時
