23話 ページ23
『ごめん、まーしぃ。』
電話の向こう側から伝えられた到底信じられない告白に、志麻は何も返事をしないまま電話を切った。
センラの口から告げられた、突然の別れ。
(……っセンラさん……!!)
間に合うかどうかは殆ど賭けだった。
急いで家からタクシーを拾って、センラが受診したはずの病院へと向かう。
嫌な予感が、ずっと心を支配していた。
まるで
センラがいなくなってしまうような
嫌な予感が
草木の生い茂る中聳え立つような大きな大学病院の、大きな庭先。
様々な花が咲き誇るその芝生の上で
その人は蹲ったまま動いていなかった。
タクシーを降りて走った志麻の荒い息に、センラが顔を上げる。
「………っ志麻くん……。」
「ちゃんと、説明して……!!」
「………。」
「センラさんのその口で、ちゃんと……言うてくれないと、俺……そんな簡単に諦められへんよ……?」
泣いていたのだろう。
真っ赤になった目元と、鼻。
何かを伝えようと開いた唇は震えて、ぽろり、とその瞳から涙がこぼれたのを見た瞬間。
志麻は、しゃがみ込んでセンラを抱きしめた。
「っつ……!!センラさん……大丈夫、大丈夫やから。」
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Cocolu(プロフ) - よにんさん» ありがとうございます! (2020年5月21日 15時) (レス) id: bd3435a044 (このIDを非表示/違反報告)
Cocolu(プロフ) - まぐさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります (2020年5月21日 15時) (レス) id: bd3435a044 (このIDを非表示/違反報告)
よにん - 面白いです!応援してます! (2020年5月19日 0時) (レス) id: c1827a7d57 (このIDを非表示/違反報告)
まぐ(プロフ) - 久しぶりの更新凄く嬉しいです!この小説ほんとに大好きなんです...!!これかも応援してるので無理ないペースで更新頑張って下さい! (2020年5月18日 22時) (レス) id: a131524162 (このIDを非表示/違反報告)
Cocolu(プロフ) - あおいさん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年1月27日 19時) (レス) id: bd3435a044 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Cocolu | 作成日時:2019年8月13日 21時