【歌い手】ラブストーリーは永遠に【BL】

19話 ページ19

帰り道、慣れた道路を歩く。

センラの隣には、志麻。手は繋がないが、肩が触れる距離が、とてももどかしくて。


流れる優しい時間に、センラが口を開いた。



「……まーしぃ、ありがとうございました。」

「んー？」

「俺のわがまま、聞いてもろて。」

「うん。別にえぇよ……色々考えたけど、今は二人に言って良かったと思ってる。」


街頭に照らされる横顔に見とれていると、返される視線。


優しく微笑まれて、伸びた手が
何でもないことのように、センラの手に触れる。



「っつ！志麻くん！？」

「大丈夫。暗くて誰も見てへんって。それに、今人おらんし、ちょっとだけ。」


「………ちょっとだけ、ですよ？」

「うん。」



人気のない道を、手を繋いで歩いた。

大好きな手。


温かくて優しくて何時だって

自分を導いてくれる。




「センラさん。」

「はい。」









「夏になったら、一緒に海行こうな。」









そうやって次の約束をして

紡いでいく

愛の軌跡





途切れることを知らない

大切な赤い糸

その先があなたと繋がっていると信じて

ぼくは








ただ、あなたの手を握りしめる。

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