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2話 ページ2

今でも鮮明に覚えている。


浦島坂田船で初めてライブをした後、スタッフも交えての打ち上げで酔っぱらった志麻から告げられた言葉。





『俺、センラさんの声好きやなぁ………世界で一番好きかも知れへん。』



調子のいい言葉だと思うことも出来た。
社交辞令だとも。




なのに、その言葉がセンラを縛り付けて、心を奪ってしまう。



胸が異常なくらい高鳴って火照る顔。




みっともないくらい動揺したのは、多分あれが最後だ。

我ながら、こんなに恋愛に臆病になったのは初めてだった。



今までなら

タイプの女の子がいれば早めにアプローチはしていたし、脈があるとわかれば告白もした。





付き合った女の子は皆大事にしたし
自分は女の子好きだとずっと思っていた。


疑ったことすらなかった。
なのに、塗り替えられていく。





あの、独特の紫色に。








仕事終わり、たまたま名古屋にいるという志麻の誘いで駅で待ち合わせた。




「あ、センラさん。お疲れ〜!」

「お疲れさまです〜。」

「どこ行こっか。センラさんどっかえぇ店知ってる?」

「俺の良く行く店でえぇんやったら案内しますよ?」

「そこにしよか。」






並んで歩けば、自然と合う歩幅。

少し身長の小さな彼は、唇を尖らせて口笛を吹く。
夜の街に溶け込むようなメロディ。




「まーしぃ。」

「ん?」

「明日は休み?」

「あー、一応。センラさんは?」

「休みですよ。何なら家来ます?って言おうと思って。」

「じゃあ、一軒目のあとはセンラさん家で。」

「了解しました。」




2人で飲酒すると、必ず恋愛話になる。

この時も例に漏れず、定番な居酒屋の片隅で熱く語り合った。

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Cocolu(プロフ) - よにんさん» ありがとうございます! (2020年5月21日 15時) (レス) id: bd3435a044 (このIDを非表示/違反報告)
Cocolu(プロフ) - まぐさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります (2020年5月21日 15時) (レス) id: bd3435a044 (このIDを非表示/違反報告)
よにん - 面白いです!応援してます! (2020年5月19日 0時) (レス) id: c1827a7d57 (このIDを非表示/違反報告)
まぐ(プロフ) - 久しぶりの更新凄く嬉しいです!この小説ほんとに大好きなんです...!!これかも応援してるので無理ないペースで更新頑張って下さい! (2020年5月18日 22時) (レス) id: a131524162 (このIDを非表示/違反報告)
Cocolu(プロフ) - あおいさん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年1月27日 19時) (レス) id: bd3435a044 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Cocolu | 作成日時:2019年8月13日 21時

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