その年下、恩人 ページ22
『この前テレビで見た。2人が付き合ってるって』
絵本から目を離し私を見つめる5歳の少年の目は、宝物でも見つけたようにキラキラしてる。
「仲良しだけど、付き合ってないよ」
あれから、1ヶ月と半月。
彼とは一切連絡を取っていない。
あの日、一言謝罪をした彼は雨の中飛び去った。
風邪をひいたかもしれないなんて思いながら、連絡すらして無い。
『そっか…』
先程のキラキラした目は一転、悲しそうな顔をする啓悟くん。
「どうしたの？」
『僕もしカサネとホークスが付き合ってるなら、お願いしたいことがあったんだ』
「お願い？」
『僕、ホークスに会いたい。会ってありがとうって言うの』
啓悟くんには親がいなかった。
今までどこで生活してたのかすら掴めていない。
彼もどう言う訳かその頃の記憶が無い。
なんなら戸籍すら存在しなかった彼は何でこんな良い子に育ったんだろう。
私は溢れ出そうな涙をぐっと堪えて、彼の願いを叶えてあげたいと思った。
「私に任せて」
『え』
「絶対会わせてあげるから。約束する」
『絶対だよ！！』
「うん、絶対」
小さな手で、細い指先で不器用に指切りをしたこの子が笑顔で良かった。
あの時、助けられて本当に良かった。
私は啓悟くんの頭を撫でたあと、他の子供達の様子も確認する。
子供達一人一人と向き合って、親にはなれないかもしれないけど、よき理解者でありたい。
『カサネさん、少し良いですか』
「はい？」
その時、1人の職員が女の子グループに混ざって遊んでいた私を呼び出した。
私は女の子達にちょっと行ってくるねと声をかけて、小走りで職員さん、透花さんの元へ向かう。
職員室横の休憩室でお茶を入れてくれた透花さんはとても深刻な面持ちでこちらも不安を煽られる。
『実は最近、変な輩が園を観察してるんです』
透花さんの個性は『透視』
対象の過去、現在、未来を見ることができるが未来を見るには相当なエネルギーをしようするため基本的には使わない。
『何をしてくる訳でも無いのですが、いつも園の外から見られてて』
「…もしかしたら子供達の誰かのご家族かもしれないですね」
『誘拐するつもりなんでしょうか？！』
「わかりません。目的がわかるまではセキュリティを強化しましょう」
マフィアの残党だった場合、啓悟くんが狙いの可能性が高い。
私はヒーローを交代制で監視役として配備することを約束し、最後は子供達にあいさつをしながら施設を後にした。
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みりん(プロフ) - ちゃそそそさん» 応援とお気遣いありがとうございます！続編もお楽しみ頂けるよう頑張りますので、次回もよろしくお願いします！ (2023年2月22日 0時) (
レス) id: bdabf02482 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃそそそ(プロフ) - 続編とても嬉しいです！ 次回も楽しみにしております！ ご無理をなさらずに更新応募しております！ (2023年2月21日 22時) (レス) @page50 id: 21d7804802 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - mbftmmさん» 嬉しいコメントありがとうございます🥺年下ホークス想像するだけでかわいいですよね♡今度も癒されてくれたら嬉しいです。更新頑張ります！ (2022年11月26日 13時) (レス) id: 7d94385906 (このIDを非表示/違反報告)
mbftmm(プロフ) - 好きです！！！！更新楽しみにしてます！！！！年下ホークス可愛い(*'-'*) (2022年11月25日 19時) (レス) @page26 id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりん | 作成日時：2022年9月25日 17時
