彼女が｢好き｣と言ってくれません

君の術式 ページ8

夏油side






夏油｢どういうことだい？｣






ポケットから小さなメモ帳を取り出し私にみせてきた







"私の術式、一定空間にいる複数の人の脳内に自分の声を再生させる。発動条件は10秒間目を瞑ること。"









夏油｢なるほどね｣







今度は右のポケットからペンを取りだし、何やら書き込む






そこ綴られたのは、女の子らしい可愛い文字





"自己紹介は口パク"







夏油｢ふっ、、はははっ｣







思わず笑うとAは口を尖らせて


"笑わないで"と書き綴った





夏油｢口パクがすごく上手いと思ってね、つい｣





ん？呪術の発動条件が10秒間 目を瞑ること




夏油｢それなら、Aは普通にも話せるってことだよね？｣







少ししてから、ゆっくりと頷く




夏油｢なら、よかった。私は避けられているんじゃないかって思っていたから、嫌ってないってことでへいき？｣




｢う、ん｣







夏油｢なら、もう1回言い直すとしよう。

A、好きだよ。私と付き合ってくれないかい？｣





君はコクッと、静かに頷いた




"少しかがんで"







今はメモ帳伝えでもいいよ、そのうち口で言ってね





夏油｢これでいいかい？｣







ギュッ、





｢わたし、も、おなじ気持ち｣





首に手を回して耳元で可愛い声が響く




恥ずかしがりながらも、急に大胆な行動をとる




きっと今、私の心拍数を測ったらメーターが吹っ切れてしまうだろうね







嬉しい、私の腕の中にAがいる。





君の彼氏になれたが、
ここからが新たな試練の始まりであった




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