彼女が｢好き｣と言ってくれません

涙 ページ12

夏油side


夏油｢私はもう心が折れそうだよ｣



五条｢まだ始まったばっかりじゃん｣



夏油｢悟は見てるだけで楽しいかもしれないが、私はこう見えてもかなり傷ついているんだよ？｣



五条｢んじゃ、俺が聞いてみるか｣



夏油｢なっ、、さとるっ、｣



止めようとしたが、目をやれば、悟の姿はもう無かった


これは完全にふざけているな



私も急いで悟の後を追う



悟、君ね、足が速すぎるよ





五条｢おい！A！｣



ビクッ

｢っ、？｣



五条｢聞きたいことあんだけど、｣



｢ど、ぞ｣



五条｢傑のこと好き？｣



｢·····｣







夏油｢はぁ はぁ、悟？いい加減にしないか、｣




五条｢わぁ、もう追いつかれた｣



｢·····｣



ポロッ、ポロッ




五条/夏油｢は？/え？｣




五条に追いついたと思えば、そこにはAがいて



Aは頬っぺを赤くしながら、目から大粒の涙



やってしまった



最愛の彼女を泣かせてしまった。



五条｢な、なんでだよ！？俺か！？え、ご、ごめん？！｣



女の子をこんなに意図せず泣かせたことなんてない悟だから、慌てて謝る



まだ、出てくる涙を堪えて、Aは目をつぶった




それから暫く、その場は静かになって、いつ誰がこの沈黙を破るのだろうとドキドキしている






『ごめんなさい。五条くんのせいじゃない。』




頭の中に流れ込んだ、自己紹介の時と同じ声






その瞬間、Aはその場から走ってどこかに行ってしまった。




五条｢なんだ、いまの。｣




夏油｢今のが、Aの術式だよ。｣




五条｢傑、ごめん。俺、｣




夏油 ｢悟のせいじゃないと、Aも言っていただろう。悪いのは私だ｣



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