運命 4 ページ5
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放課後、たまたま職員室から戻ってきて教室に入ろうとした時、新庄さんを含めた数人がまだ残っていた。
うわぁ、最悪。
さっと鞄取ってすぐ帰ろ。
「ねぇ千生ってさホントに赤葦君と付き合ってないの?」
足が止まった。
今結構まずい現場に私居合わせてる。
「付き合ってないよ」
「でも好きなんでしょ赤葦君のこと」
好き、か。どうなんだろ新庄さん。
本当は違うって言って欲しかった。
やっぱり私は…悪女なのかな。
「……うん、好きだよ」
言葉が出ない。
完璧にコレは最悪な展開だった。
もしこのまま新庄さんが赤葦に告白したら、彼らはお互いが運命の人だと知ってしまう。
そしたら私は、私は…捨てられる……!?
だめだよ、、ダメだよそれは!
私の赤葦なんだから!!!!
「早く告っちゃいなよ!きっと向こうも好きだって」
「でも赤葦って彼女とかいそうじゃん?」
「いないでしょ!だって千生とずっといるじゃん」
…そうはさせない。
今の私って完全に悪者だ。
物語の結末を知っているからあの手この手で、ヒロインを潰そうとする悪者。
それでも嫌だった。
赤葦を取られたくなかった。
ガラララ
「あれ、狩谷さんまだいたんだ」
「……る」
「どうしたの?」
真っ直ぐとこちらを見つめる彼女に答えるように、私も真っ直ぐに見つめ返した。
「赤葦、彼女いるらしいよ…」
「へ…?」
「は?なに言ってんの狩谷さん」
「そうだよ!盗み聞きまでしといて、千生悲しんでるじゃん!!!」
傷ついたように潤んだ瞳が目に入る。
ヒロインを傷つけちゃったよ…。
「そ、っか…そう、なんだ。
教えてくれて…ありがと……!」
彼女はそう言って教室を走って出て行った。
他の子も追いかけるように後を追った。
泣いてたな新庄さん。
今の私には、新庄さんを傷つけてしまった後悔よりも
この後赤葦に会ったりしないでという怖さの方が大きく存在していた。
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さき(プロフ) - ありきたりな展開にならなくてすきです。。。。。 (2023年2月1日 11時) (レス) @page11 id: 9fc0d0edba (このIDを非表示/違反報告)
赤葦くんのお嫁に行かせて - あぁ、、赤葦くん、愛してるわ(( いやね、これは新庄も新庄だよ、 あかーしかっけぇなッッッ!!!!!!!!!!!!! (2023年1月24日 22時) (レス) @page11 id: 8eae8b626f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パパゴラス4世 | 作成日時:2020年5月11日 21時