同業者メンバーの愛が重すぎる!!【wrwrd】 (ページ21)

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20.0_許容ページ21

「おや。これは失礼」

　しれっと会話に混ざったエーミールはにこやかに笑うが、どう控え目に見ても営業スマイルだ。

鬱も胡散臭そうに見ている。お前が出来る顔か。

　大方、自分達の練習に取り入れるか、新たなビジネスのネタとしたいのだろう。エーミールもまた、向上心の塊みたいな人だし。

「なぁ、A」

「ん、あぁなに？」

「曲がりなりにも助っ人ならサボろうとするんじゃねぇぞ。役に立たないなりに働け」

「サボらないって…」

　急に失礼な事を言われたが、相変わらずだなぁと思うだけだった。少し口調が怖い時も有るが、兄さんはいつも大体こんな感じだし。

　けれどエーミールと鬱が、そっと僕に耳打ちする。その表情は酷く楽しそうで、意地悪く嗤っていた。

「練習には必ず参加するように、と兄さんは言ってますね」

「やっぱりか…」

「例え仕事が無くても良いから休まないように、とも兄さんは仰っています」

「きっとどうしてもAに来て欲しいのだろうね」

「えぇ、どうしてもAと会いたいのでしょう」

「…っ！」

　言われた言葉を理解して、思考がフリーズした。なんだ、ソレ。

さっきとは打って変わって、まるでAの事を助っ人として許容してくれてるみたいじゃないか。

　嬉しさと気恥ずかしさから、顔が熱くなったのが解る。きっと赤くなっているのだろう。

咄嗟に俯いて隠そうとしたが、両脇に居る二人には見られてしまった。だって、やっぱりニマニマ楽しそうにしている。

「なんだぁグルッペン、寂しがりかー？」

「…クッ！確かにそう云うニュアンスに取れるわな…！」

　同じく揶揄う声が聞え、スッとグルッペンの気配が剣吞なモノに変わった。

「……棘が欲しいヤツはどいつだ？」

　暫く真面目な話合いは出来なかった。