同業者メンバーの愛が重すぎる!!【wrwrd】 (ページ1)

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1.0_仔猫ページ1

「なぁなぁ！」

　誰も居ないの談話室で一人読書をしていると、目をキラキラさせた相方が乱入して来た。

「どうしたの？」

「ゾム、Aは今本を読んでいただろう。急に大声で話しかけるのは」

「そうですよ、ただでさえ談話室は響くというのに……」

「ふん！オレがAに何しようと勝手やろ！！」
　後続して入って来たのは呆れ顔のグルッペンと、困った顔をしているエーミールだった。

　今日は、来週に行われる"戦争"に参加する為の最終選考があった日。

三人の表情から察するに、受かったのだろう。それでゾムが早く報告したいが為に真っ先に僕の所へ来たと。

報告に来たゾムの後に来た2人＿グルッペンとエーミールは分かりきったような顔でこちらを見る。なるほど、話を聞いて欲しいのか。

「落ち着いてゾム、僕は迷惑してないから大丈夫だ」

　本に栞を挟んで、テーブルに置く。ゾムは変わらず2人に憤慨したままだが、やはり大人の余裕を持っている2人は涼しい顔。頭の中で作戦を練っているのだろう。

「A、ゾムの手綱を離さないよう、しっかり持っておくように」

「その本私が推した小説ですよね、早速読んで下さるとは、感激です」

「Aからも言ってやってくれよ！2人が俺に冷たいんや！それにグルッペンは犬扱い……」

「まぁまぁ、ゾム。落ち着きなって」

　ソファに上がり込んだゾムを下に座らせ、優しくその頭を撫でてやる。

機嫌の直らないゾムは威勢よく文句を垂れていたが、次第に静かになって丸くなり、気持ち良さそうに目を細めた。

　こうしてると本当に仔猫の様で可愛らしいが、それを本人に述べると新たな火種になりかねない。

内心で思うだけにして、撫でる手は止めなかった。

　