love sound…9 ページ11
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授業は全て終了。なのに、私の顔はまだ熱い。
(早く帰ろう…)
誰よりも早く教室を出て、私は扉を開いた。…が。
ザアァ…
空には真っ黒い雲がかかり、大粒の雨がなだれのように降っていた。
あわてて鞄を確認するが、折り畳み傘は入っていない。
仕方がないから親を呼ぼう、とも思ったけど、ケータイも忘れてしまった。
…これは、走って帰るしかない。
激しい雨が打ちつける中、私は飛び出そうとした…そのとき。
「葉月？ 傘忘れたのか？」
「き、霧野く…」
だから早く帰ろうと思ったのに。
「このまま帰ったら風邪ひくぞ。俺が家までおくってやるから、入っていけよ」
私は首を横にふった。
「そ、そんなの悪いよ…」
霧野くんは私の言うことなんて聞かずに、「いいから」と言って無理矢理引っ張っていった。
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ひとつの傘の中に、二人。
普通にしていると肩がぶつかってしまうくらいの距離。
私は霧野くんからすこしだけ離れたところを歩いた。
肩が濡れるけど…まあいいや。
しばらくの沈黙。それをやぶったのは霧野くんだった。
「葉月、肩濡れてる。もっとこっち」
そういって、肩をぐい、と引き寄せられる。逃げられない。
この距離じゃ、心臓の音が霧野くんに聞こえてしまいそう。
そう思うと、もっと緊張してドキドキしてしまう。
赤信号が見えて、私たちは立ち止まった。
止まっていると、雨の音が大きく聞こえる。
そして、余計にこの距離を意識してしまう。
もし、もしも霧野くんと私が同時に顔を見合ったら、触れてしまいそうな距離。
霧野くんのサラサラの髪が、触れてしまう距離。
私の顔は、いま、真っ赤だろう。
霧野くんは？ 霧野くんはどうだろう。
そんなことを思って。
私はただ、盗み見る、それだけのつもりだった。なのに――…
「……！」
やわらかい感触。
顔にかかる桃色の髪。
グリーンの、綺麗な瞳。
霧野くんも、こっちを見てた。
「…っ！ ごめん！」
肩を強くおされ、後ろによろける。
顔をあげると、霧野くんが目を逸らした。
最悪。消えちゃいたい。
青に変わった信号。それを見て、私は走りだした。
「…っは、葉月！」
痛かったよ、霧野くん。あんなに強く押すなんて。そんなに嫌だった？
私、傷ついたよ。
考えられることは、ただそれだけで。
嬉しいなんて言葉、どこにも見つからなかった。
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にょあ(プロフ) - 桜星さん» 返信遅くなってしまい、本当にすみません！m(＿)m読みやすい文が書けていたなら嬉しいです^^これからも頑張ります！ (2015年2月27日 22時) (
レス) id: 1ca1660501 (このIDを非表示/違反報告)
桜星(プロフ) - コメント失礼します.完結おめでとうございます!文才良くて,とても読みやすくて憧れます!!これからも頑張ってくださいo(・`д・´o)応援してます*´ω｀* (2014年9月22日 23時) (レス) id: df347f46cb (このIDを非表示/違反報告)
にょあ(プロフ) - ＩＡチョコさん» たくさん悩んで書いたので、そう言ってもらえるととっても嬉しいです(o^^o)コメントありがとうございました！！ (2014年8月28日 16時) (レス) id: 1ca1660501 (このIDを非表示/違反報告)
ＩＡチョコ - スッゴく感動しました（泣） (2014年8月28日 16時) (レス) id: 2aa9f99acc (このIDを非表示/違反報告)
柚樹@アキちゃん廃。小さなラベンダー←(プロフ) - にょあさん» 行きます行きます！！俺もあんまり現れないかもですがwwwww(( (2014年8月25日 23時) (レス) id: 8824f7f364 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にょあ | 作成日時：2014年4月13日 23時
