学園アリス-memory- (ページ8)

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5話-再入学Ⅴ- ページ8

-初等部-

鳴「あ、いたいた奏く～ん」

　廊下を歩いていたら背後からナルに呼び止められ、振り返る

『何?』

鳴「奏君は一応、転入生って扱いになってるからね。最近来た子は君のことを知らないし」

『…つまり？』

鳴「自己紹介してね♡」

　語尾にハート…ご丁寧にウインクまで

『…』

　めんどくさい…

-B組-

鳴「じゃあ呼んだら入ってきてね」

　黙って頷くとナルは教室に入っていく

鳴「は～い、今日は転入生がいます
　ここに前からいる子は知ってると思いますが
　最近来た子は知らないと思うから一応自己紹介してもいます」

　ナルに呼ばれ教室に入る

　相変わらずの光景が目の前に広がる

『…』

　…唯一変わった事といえば

　周囲を見渡して目を止める

　一番後ろの窓際に近い席に座る兎を抱いた金髪男子

　…見たことない顔

　あれがいない間に入ってきた奴？

鳴「奏君～？」

『間宮奏』

　それだけを言うと長い沈黙が流れる

鳴「…それだけ？」

　沈黙を破ったのはナルだった

『他に言うことない』

鳴「全く、じゃあ僕から」

　…は？

鳴「前からいる子は知ってると思うけど彼は正真正銘、女の子で～す！」

流「えっ！？」

　それ言う必要あった？

　てか金髪少年驚いてるし

　皆も黙ったままこっち見てる

　…以前はもっと騒がしかったはずだけど、どうした？

鳴「席はー」

『前と同じ場所』

鳴「でもあそこは」

『同じ場所』

鳴「…まぁ彼もいないしいっか」

(((いいのか…)))

　…彼？

　ナルの言葉が気になったけどすぐに頭から消し、前の指定席に座る

流「あ…えっと、よろしく」

　…いい子？

　少し目つきが悪いけど…いやよく見ると結構可愛い？

『ん、よろしく』

　ナルの話をBGMにしながら外を眺める

鳴「じゃあ、皆仲良くね～」

　話が終わり、ナルが教室へ出て行くのと同時に今まで静かだった生徒達が集まってくる

心「わー、奏君だー久しぶりー」←心読みくん

持「奏さん！お久しぶりです！」←持ち上げくん

『久しぶり』

　なんだ、皆変わってない

ス「奏く～んっまた会えるなんて嬉しいわ！」←スミレ

『うん、私も会えて嬉しいよ』

ス「きゃぁあっそんなっ嬉しいなんてっ」

　スミレちゃんは今日も元気だなぁ

　隣の金髪君の表情若干引き攣ってる…