学園アリス-memory- (ページ4)

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1話-再入学Ⅰ- ページ4

『ふぁぁ…』

「着きました」

　留守電が入って数日後、迎えの車に乗りアリス学園に戻ってきた

　ドアが開き、車を降りると見慣れた景色が広がる

―アリス学園本部―

『…初校長に挨拶するのやだなぁ』

　のろのろと広い廊下を歩いていると視界の隅に見知った姿が立っているのが見える

『…黙ってないで何か言いなよペル』

ペ「…その呼び方は止めろと言ったはずだ」

『…そんなこと言われた覚えはない
　私が忘れっぽい性格だってこと知ってるよね？』

ペ「…自覚がある分余計質が悪いな」

『褒めてる？』

ペ「褒めていない。校長が待っている。早く行くぞ」

　相変わらずぶっきらぼうだ

　でもペルは文句を言いながらも歩く速度を合わせてくれる

　そういう優しいところは変わってないことに安心した

コンコン

初「入りなさい」

　初校長の声が扉の奥から聴こえてくる

　相変わらず嫌な雰囲気醸し出してるんだろうな初校長は

ペ「奏」

　ペルに男装時の名前を呼ばれる

　久しぶりに呼ばれた

　漢字は同じでも読み方が違うのは都合がいいから…らしい(高校長曰く)

　男装なのも同じ理由だ

　あとは楽だから男装すること自体抵抗はない

　校長室に入ると2年ぶりに見る顔

初「やぁ久しぶりだね奏
　ここを出たと聞いた時は驚いたよ」

『私も出られるとは思っていなかったよ』

初「…一向に戻ってこようとしなかったらしいが、余程外の暮らしが楽しかったんだろうね？」

『ここよりは良い所だったよ』

初「…本来なら今回の件について罰則するべきなのだが私も鬼ではない」

『…鬼だろ(ボソ』

初「何か言ったかい?」

『いえ何も』

初「…まぁいい。脱走に対しての罰則はなしだ」

『え、マジ？』

初「あぁ、マジだ」

ペ「…校長」

初「…こほん、ただし。奏、君には再び任務をしてもらう」

　決定事項なのかよ

奏「…まぁ予想はしてた」

初「やけに素直だな？」

奏「断ってその分を澄和に回されるのは困るんで」

初「それは君の働き次第だ」

　ニコリと嫌な笑顔を浮かべる初校長

　…本当に腹立つなこの笑顔。チビのくせに

ペ「…」

初「それと奏、君のアリス…フェロモン体質のアリスはとても強い
　制御アイテムを付けなさい」

　目の前にはピアス1つと指輪2つが置かれる

　…今もピアス2つと指輪2つ着けてるのに追加かよ

奏「…はいはい」

　これ慣れるまで体重いんだよなぁ