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プロローグ2/2 ページ2

『蜜柑、キモい』

蜜「えっキモい!?」

 蜜柑が涙を流しながらこっちを凝視してくる

『泣いてるとブスに見える』

蜜「ブス!?」

『蜜柑は可愛い顔してるんだから、勿体無い』

蜜「なっ…えっ…かわっ…もう奏っ!!」

『うわっ』

 突然ガバッと飛びかかるように抱きついてきた蜜柑に押し倒される形で床に倒れこむ

 上を見ると蛍がじっと見ていた

蛍「…バカ蜜柑どいて、奏が潰れるでしょ」

 空気砲のようなものを蜜柑に向けて発泡する蛍

蜜「ふぎゃっ」

 蜜柑は変な声と共に少し離れたところへと飛ばされる

蛍「大丈夫?」

 差し伸べられた蛍の手を握って立ち上がる

『ありがとう、でもやり過ぎ』

 蛍の手を掴んだまま、蜜柑の方へと向かう

蜜「…グスッ」

 ほら、拗ねてる

『涙拭いて、蜜柑は可愛いだから笑いなよ』

蜜「…奏っ」

蛍「…まぁ、泣いてる顔はブスで見てられないけど
  笑ってる時のアンタの顔は可愛いわ…泣いてる時に比べたらだけど」

 蛍、最後の言葉は余計

蜜「…蛍っ」

 涙を拭き笑うと私と蛍に思い切り飛びついてくる蜜柑

 …このバカは学習能力ってものがないのかな?

ビタンッ

 蜜柑の顔を手で押して離れるように促す蛍

 しかし…

蜜「蛍ぅ〜奏ぁ〜」

 当の本人には通じない

蛍「…」

『…』

 蜜柑に抱きしめられながら私と蛍はお互いの顔を見て小さく笑った



 …こういう日常も悪くない

 蛍がいて、蜜柑がいて

 この田舎での暮らしも案外気に入ってるし


 この関係が崩れないように

 2人にはこのまま笑っていて欲しい





『…って思っていたのに』

 家に帰ると留守電が2通

 ―「学園を出て2年が経つ訳だが、そろそろ誤魔化しもきかなくなってきた
  元々学園には戻ってくる約束だ。忘れたなど言わせないからな」―

 ―「いつになったら戻ってくるのかなぁ?皆待ってるよ〜
  っていうか戻ること忘れてたなんて事はないよね?」―

『…』

 いや、忘れっぽいって性格を分かってくれているのは助かるけど

 そんな2人揃って留守電入れなくたっていいのに

 これは近いうちに戻らないと後が怖そう

『…蜜柑に言ったらめんどくさそうだし、蛍に言って戻ろ』




 こうして、私の外での生活は2年で終わった――

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作者名:楽臨 | 作成日時:2017年1月6日 14時

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