第27話 ページ28
ノートを見ると、僕のと比べ、Aはかなり進んでいた。
たった1日なのに物凄い差がある。
不思議に思いながらも、Aの質問に答えていく。
軽く説明するだけで理解するAを見て少し驚く。
どうやらAは記憶力や頭はいいらしい。
隣で一生懸命問題を解くAに頬が緩む。
僕が見ているのに気づいたのか目が合った。
その後に僕の課題のプリントに目を落とす。
『治くんはやらなくていいの?...』
そう、僕のプリントはほとんど空欄で解いていない。
「別に大丈夫だよ。見るの森さんだし。」
『ダメだよ?ちゃんとしないと森さん困っちゃうよ。』
......Aにそう言われては仕方ない...
「うん。...わかったよ。ちゃんとやる。」
そう言いペンを持ってサラサラと解いていく。
それを見たAは満足そうに笑い。自分の課題にまた、手をつけ始めた。
課題が終わり、もう夜も遅いのでAにおやすみを言い、部屋を出る。
そのまま自分の部屋に戻らず長い廊下を歩く。
ある、ドアの前で立ち止まりコンコンとノックする。
カチャリと開け、中に入った。
「...森さんいる?」
そう、森さんの所に来たのだ。
森さんは何かの資料に目を通し、書き加え、それを繰り返していた。
そして、僕に気づき、手を止めた。
「やぁ、太宰くん。どうしたんだい、こんな時間に。」
「...今日、Aの様子がおかしかったので、森さんなら何か分かるかと...」
僕はAが自分で腕を切っていたこと、それから明らかに多かった課題の量。その事を聞いた。
「ふむ。...やはりそうか...」
森さんは真剣な表情で何かを考え始めた。
そして、口を開いた。
「まず、怪我の事だ。太宰くん。Aちゃんはついこの間まで、酷い事をされていたのは知っているよね?」
酷いこと。...そんなの当たり前だ。知ってるに決まってる。でも、今更なんでそんな事......
「............あ。...」
そう、声を漏らすと、森さんを目を細めて頷いた。
「...そうか。...ストレス...ですか?」
「うん。当たりだ。」
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氷翠(プロフ) - ゆんゆんさん» ありがとうございます!!はい!ちょっと今忙しくて、、余裕が出来たら更新します!気に入って頂けて嬉しいです!! (2019年7月8日 18時) (レス) id: 20ceb8a33c (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆん(プロフ) - 好きです!!ゆっくりでいいので頑張ってください! (2019年7月8日 14時) (レス) id: 924108a693 (このIDを非表示/違反報告)
氷翠(プロフ) - 美雲さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年7月7日 21時) (レス) id: 20ceb8a33c (このIDを非表示/違反報告)
美雲 - 続き楽しみにしてます。頑張ってください。 (2019年7月7日 20時) (レス) id: 0e776977f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷翠 | 作成日時:2019年7月3日 21時