第2章 第19話 ページ20
なんだろう...あったかい......
身体がふわふわして、痛いところなんてない...
目を開けるとそこは真っ白だった。
周りを見渡しても何もない。
「ここ、どこ?」
下を見てもただの真っ白い床、
私はゆっくり歩き出した。
ぺたぺた...ぺたぺた...
どこまで歩いただろう...
果てしなく続くその風景に不安になり足を止める。
1度目を瞑る。焦る気持ちを抑え深呼吸する。
そして目を開けると今度は真っ暗だった。
「っ!...」
周りを見ても何も見えない、急なことに焦り後ずさる。
瞬間、真っ逆さまに落ちた。何も見えないから、ただ落ちているだけの感覚、
何かに捕まろうと手を動かすも何かに触れる感覚がない。
「ジャラジャラジャラ...」
音がした。こんな状況になってからは初めて聞いた音。
その音は近くでする。すぐそこだ。
見ると、手や足、身体にも鎖が絡みついている。
目を見開いた。
あぁ...そうだった。...私は......
何か、とはハッキリは分からないが、諦めたように目を閉じた。
ジャラジャラと頭に響く音、急降下して行く身体......
瞬間、パシッと何かが私の手を掴んだ。
そして、グイッと持ち上げられ、その何かに抱きしめられた。
目に映ったのはくせっ毛だろうか暗い焦げ茶色の髪に、黒い服、そして私の目の前に見える首に巻いてある包帯。
ぎゅっと抱きしめられ、耳元で凛とした声がした。
『大丈夫...君の事は僕が守る。君を傷つける者はもう居ないよ。ね、ーーーAーー』
その声に私の目から1粒の涙が零れた。
ーーーーーーーーー
「ん......」
眩しさに目を開ける。
目の前には白い天井。
そして、近くの窓から朝日が差し込んでいた。
その光はキラキラ反射していた。
「きれい......」
私は身体を起こした。
その時違和感を感じた。見ると、私の手を誰かが握っていた。
そこに視線を写すと、彼がいた。私を、あそこから救い出してくれた彼が。
ベットの縁に腰掛け、そのまま寝ていた。
ずっと、ここにいてくれたのだろうか...
私はそっと彼の頭を撫でた。
ふわふわしていて、クンルと癖のある髪にもサラサラと指が通りぬける。
そのまま撫で続けていると彼が動いた。
「ん〜.........」
サッと手をどける。
すると、閉じられていた瞼があいた。
あの瞳みだ。
綺麗だと感じたあの瞳...。
彼と目が合ってそのまま見続ける。
すると彼は急に目を見開いた。
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氷翠(プロフ) - ゆんゆんさん» ありがとうございます!!はい!ちょっと今忙しくて、、余裕が出来たら更新します!気に入って頂けて嬉しいです!! (2019年7月8日 18時) (レス) id: 20ceb8a33c (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆん(プロフ) - 好きです!!ゆっくりでいいので頑張ってください! (2019年7月8日 14時) (レス) id: 924108a693 (このIDを非表示/違反報告)
氷翠(プロフ) - 美雲さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年7月7日 21時) (レス) id: 20ceb8a33c (このIDを非表示/違反報告)
美雲 - 続き楽しみにしてます。頑張ってください。 (2019年7月7日 20時) (レス) id: 0e776977f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷翠 | 作成日時:2019年7月3日 21時