誘惑だらけ。

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｢それで、Aに心当たりはないの？｣









宇野ちゃんは、また1階に戻って自分の分のティーカップを持ってくると、秀太の隣に腰掛けた。







間に机があるため、2対1という形で座っている。







休憩時間延長、という感じだ。









｢その顔は、心当たりあり、って感じだな｣









顔に出ちゃってたみたい。









やっぱり、昨日のあれが原因か…









『にっしーに、謝りたい…』





｢ふふっ｣





｢ははっ｣









ポロッと出てしまっていたらしい呟きに、宇野ちゃんと秀太は顔を見合わせ笑い出した。









え、えっ、え…！？









いや、え、なんで！？









というより、宇野ちゃんと秀太がお似合いすぎて……









本当に、美男美女カップルっていう感じ。









千晃と秀太もお似合いだったけれど、宇野ちゃんと秀太もいい。









この塾の先生たちは、美男美女ばかりなんだと、改めて思い知った。









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｢そんな深刻な顔すんなって｣





｢そうだよ。にっしーが機嫌悪いのって、大抵拗ねてる時だから｣





『拗ねてる…？』





｢そうそう。あいつ、すぐ拗ねんの｣









目の前の2人の顔は明るい。









それでも私が暗い顔をしていたのを感じ取ったのか、宇野ちゃんが微笑んだ。









｢にっしー、今出かけてるけど、もうちょっとで戻ってくるから｣





『え…？』





｢謝るなら、そのタイミングじゃない？｣





『…宇野ちゃん、ありがとう！大好き』





｢あははっ、ほんと可愛いなぁ、Aは｣


















優しい笑顔を向けられて、少し目頭が熱くなってしまう。









すると、宇野ちゃんは更に口を開いた。









｢もしにっしーになんか言われたら、すぐに言って。あいつ締めるから｣






『え？』






｢俺は回し蹴りしたるから。すぐ教えろよ｣






『あ、うん…』









お姉ちゃんとお兄ちゃんのような2人でした。

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