誘惑だらけ。

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｢再開すっぞー｣






『はーい』











ポッキーを1袋食べ終えて、また勉強を始めることになった。









やはり糖分は必要だったようで、頭が活発に動き始めている。













ｺﾝｺﾝ









その時、扉がノックされた。









｢入っていいぞー｣






｢はーい｣









秀太はノックの主を確認するわけでもなく、扉の向こうに声をかける。









その対応から、この塾の先生がお互いを信頼し合っていることがひしひしと伝わってきた。









やっぱり、この塾の人達は固い絆で結ばれてる気がする。









とっても素敵な塾だ。









｢飲み物持ってきました｣









部屋に入ってきたのは、トレイにティーカップを乗せた宇野ちゃんだった。









やっぱり、普通はこんなことないよね…









この塾の変わっているところは、先生の対応や内装だけではない。









秀太から聞いたけれど、この塾の生徒は私1人らしいのだ。









どこか"特別感"があって、何だか嬉しい。









でも、どうやって生活してるんだろ……









なんて、失礼な質問が浮かんできて、慌てて追い払った。









.









｢おー、宇野ちゃんサンキュ｣





『ありがとう！』





｢いいえ。あ、ねえA｣





『ん？』





｢にっしーとなんかあった？｣





｢『ぶっ！』｣









私と秀太が、同時に紅茶を吹き出す。









宇野ちゃんは慌てた顔で部屋を出ていくと、ティッシュの箱を持ってまた戻ってきた。









｢え、2人共どうしたの！？私、なんか変なこと言った！？｣






｢いや、宇野ちゃんが俺と同じことを…｣






『もう秀太に聞かれました……』









幸い紙にはかかってなかったので、一安心です。

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