誘惑だらけ。

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｢何してんの？｣









リビングの扉のところに立っていたのは、にっしー。









しかし、真司郎は私を離すわけでもなく、更に腰に手を回してくる。









ドキドキしていると、にっしーはズンズンとこっちに歩いてきた。









え、顔怖くない…？









｢にっしーお疲れ｣






｢A、こっち来い｣









真司郎の言葉を無視して、にっしーは私に手を差し伸べてきた。









その手を掴もうとすると、後ろから真司郎にそれを阻止される。









え、ほんとに何なの！？









千晃は笑いを堪えてるし…









誰か助けて！！









.









｢Aも大人しく真司郎の思い通りになってんじゃねーよ｣





『え、いや別になりたくてなってるんじゃ…』






｢嫌なん？｣





『い、嫌ってわけじゃないよ！？｣





｢嬉しいのかよ｣





『嬉しいとは言ってないじゃん！』





｢A、照れてるん？｣





『て、照れてない！』









あー、前から後ろからって忙しい！








真司郎が喋ったら息がかかるし、でもにっしーの顔険しすぎるし！









みんな今日どうしちゃったの！？









.









『千晃ぃぃ…』






｢んー？どうしたのー？モテモテAさん♪｣






『モテてないから！』









.









…よし、勢いよくここから脱出しよう！









『よっ…』









真司郎の手を素早く解いて、リビングの扉までダッシュで走る。









そして、カバンを持って廊下に飛び出る。









『ありがとうございました！』






｢｢｢A！！｣｣｣









脱出成功した私でした。

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