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「知ってますよ。俺の事を好きじゃないって事くらい。」
「じゃあ、なんで。」
「AさんならOKしてくれるって思ってましたから。俺、付き合えればいいって思う程Aさんの事想ってるんっすよ。分かってます？」
「…わからない。」
自分がなった事ないんだから人からの好意に気付くはず、ないじゃないか。
またビールを1口、少し多めに飲み込む。酔えば何もかも忘れられるんじゃないか、なんて淡い期待を乗せながら。
唇からビールを離すとまた、唇に何か感触が与えられた。より一層強くなったタバコの香り。目の前にある紫色の瞳。それを際立たせるかの様に茶色の髪はふわふわと私の周りを漂っている。
「分かったですよね？」
彼は唇をゆっくりと離し、意地悪な笑みを浮かべそう、口にした。暫く脳が出来事に追いつかず口をパクパクと動かし、理解が追いついた瞬間、
「ばか。」
と反射的に呟いた。敬語使ってるでしょ、なんて軽口叩く余裕すらなかった。
少し、顔が赤くなっていくのを感じる。好きな人じゃないのになんでこんなに動揺するんだ。いや、好きになっても後30分程しかないじゃないか。
テレビを試しに付けても同じ事ばかりで、遂にはチャンネル自体繋がらなくなった。テレビも仕事よりプライベートなのだろう。
「世の中が1時間で全て壊れていくってあるんだね。」
「1時間で全てが手に入っとるんっすけどね。」
「私？」
「そういうこと。」
彼の中ではそんなに私という存在が大切なのか。
「愛って、いいの？」
「いいよ。」
「そういう事じゃなくて。」
具体的な回答が欲しい。そういう前に彼は理解したのかまたにこりと笑い呟いた。
「愛があっただけで世界が360℃変わると言っても過言じゃないっすよ。ぎゅっと心が縮んで、苦しくて、でもどうしようもなく幸せで。辛いんやけど、それより何倍も幸せな事がある。
だから愛は地球を救うんっすよ。」
毎年同時期に出てくるお決まりのフレーズが私のツボにハマり思わずくすくす笑う。
「…愛、か。」
「少なくとも、Aさんのお陰で今苦しいですし、辛いですし、幸せです。」
「そっか。」
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みり - ん"ん"…(声にならない声) とても素敵です…食い入るように読んでました…これからも頑張ってください…！ (2019年4月11日 21時) (
レス) id: a68ddf6fc9 (このIDを非表示/違反報告)
タユ(プロフ) - 完結おめでとうございます！ぴ君良いですね！（←唐突）ラストのぴ君の長いセリフが本当に夢主ちゃんのこと愛してるんだなって思って、ちょっとじわっときました。これからも頑張ってください！ (2019年3月14日 13時) (レス) id: 2268a0f833 (このIDを非表示/違反報告)
もものす(プロフ) - 全然文才あるから安心してください…好きです" (2019年3月13日 19時) (レス) id: 7ecc545104 (このIDを非表示/違反報告)
sayaka(プロフ) - piさんの「1時間で全てが手に入っとるんっすけどね。」という台詞にグッときました。ラストも楽しみです！ふだんは感想書かずひっそりと作品を楽しんでるのですが、評価が荒れてるようでしたので、どうしても伝えたくなりました。これからも応援してますm(__)m (2019年3月13日 15時) (レス) id: 12b2318568 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ - あと上から目線で申し訳ないのですが、アンチをする人は作者様の文才が羨ましいのではないでしょうか。私としては普通に大好きな作品なので、アンチを気にせんでもええと思います。長々とすみません。 (2019年3月13日 15時) (レス) id: c8f72c9aa8 (このIDを非表示/違反報告)
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