生理男子【Taiga.K】 (ページ10)

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ふわふわと身体が浮いたような感覚。

ぼんやりと滲む視界の中で見えたのは、
北斗の心配そうにした表情だった。

いつも俺のせいで、北斗をこんな風に
心配させてしまっている。

迷惑ばっかりかけちゃってごめんね。

「大我、下ろすよ。」

後部座席に俺を寝かせた状態にさせて、
北斗は車を動かした。

北斗は運転がほんとに上手くて
いつも安心して乗っていられるの。

30分くらいで家に着いて、車から降りる時も
北斗はお姫様抱っこで家まで運んでくれた。

そしてゆっくりと俺をベッドに下ろすと
北斗は俺の手を握ったまま、ずっと傍に居てくれた。

「体調悪いの何で言ってくれなかったの？」

「北斗に心配かけさせたくなくて⋯」

「そんなの気にしなくて良いのに。
我慢される方が辛いから。」

優しい口調でそうやって話してくれる北斗。
どこか安心しきった俺は、思い切って
本当の事を話してみる事にした。

きっと北斗なら分かってくれる。
絶対大丈夫。そう信じて。