四話 ページ5
「あら…アナタ、自来也と一緒に私の周りをチョロチョロしてるおチビちゃんじゃない」
大蛇丸を警戒する自来也に同行し、ヒルゼンを背に庇うとあれば、何処をどう見ても彼にとってAは邪魔者でしかない。
大蛇丸は草薙剣を構え、ニタリと笑った。
その大蛇丸の顔面目掛け、Aが無造作に小刀を放った。
簡単に小刀を弾く大蛇丸に、風を切り一瞬でAは近付く。その手には、今大蛇丸に投げ付けた筈の小刀が光る。
その速さに、大蛇丸の顔に動揺が走った。
「っ、A…っ!!」
ヒルゼンが叫ぶと同時に、大蛇丸の腹に吸い込まれようとしていたAの小刀がピタリと止まる。
代わりに、手を止めたAの腹を、大蛇丸の草薙剣が刺し貫いた。
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自来也は、ソファに大人しく座っている養い子を見下ろした。
大蛇丸によって腹に開けられた穴は、自来也達より遅れて里に到着した綱手に治療されている。無論、傷を塞ぎ、内臓の出血を出来るだけ押さえただけの治療ではあるが。相当な痛みがある筈なのに、Aはいつも通りの無表情で居た。
結界が解かれ、敵忍達が引き上げ始める中をヒルゼンとAがいる筈の建物へ走った。
既に大蛇丸の姿は無く、疲労困憊の師と、師を支えるようにして立つ血塗れのAだけがいた。
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作者名:キリカ | 作成日時:2020年5月8日 19時