第五十八章 ページ8
「なんでそうなるんや!」
「戦力差的にそうやろ?」
もっともらしい理由だ。
この中で一番強いのはゾムだからね。
じゃあ三対一での方が……と思ったけどゾム一人でいいんじゃない、と言いかけてゾムが物凄く悲しそうな表情になったのでやめる。
満足げに太ももを撫でるのやめてほしい。
『……ルールは?』
「特にないで!」
「兎に角相手に当てればええんやな?」
「そーいうことや!」
小難しいことが無いとわかり、三人とも互いに銃口を向け合う。
二拍程遅れて私も一応構える……が、正直当たる気はしない。
発砲による反動は無いんだろうけど、そもそもエイム力が皆無。
目を瞑って撃った方が当たるかも……。
「そんじゃあ……始め!!」
シッマの掛け声で三人が動き出す。その動きは流石と言える。
私は前に飛び出す、なんてできないので一歩二歩下がって体勢を低くする。
こういう時は出しゃばっちゃいけないんだ。
ちょこちょこっと動き回るシャオロンとシッマをゾムが上から後ろから撃っていく。二人は翻弄され、ほとんどゾムに当てることは出来ていないが、楽しそうだった。ゾムもいつもより生き生きしてる。
こんなに楽しそうにしている中で何もしないのは失礼だな。
というわけで、ゾムに意識が向いている二人の首元に撃ってみる。
予想以上の勢いで飛び出た水はほぼ狙った位置に当たった。
私の不意打ちに驚いてこちらをバッと振り向く二人。
あぁ、こっち向いたら危ないよ、という私の声が届く前に。
「ふひひっ」
悪い笑いを響かすゾムによってバケツの水が二人の頭上から降り注ぐ。
あっという間に頭から足までずぶ濡れ。
「うわっ、やったな!?」
「もうずぶ濡れやんけ!!」
『でも涼しそうだよ』
そう笑ってみると、そうやな、と爽やかな笑顔が返ってくる。
そして向けられる銃口。あ、と気付いた時にはもう遅く、咄嗟に目を瞑る。
が、何の意味もなく、冷たい感覚が頭と顔に広がった。
『水冷たい……』
「熱湯なわけないやろ」
シャオロンの言葉を聞いてから自分の言葉のおかしさに気付く。
可笑しくて、笑ってしまう。
「さっきの、良いチームプレーやったな」
手に持った水鉄砲をこちらに向けながらゾムがやって来た。
なので私もお返しに向けながら共感する。
『そうだね、今のとこは私達が優勢だ』
「間違えて俺撃つなよ?」
そう言う彼に今すぐ撃とうとしたが。
気付けば彼は私の後ろに居て……私は頭から水をかぶった。用意周到ですか。
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リノ(プロフ) - 綾波夜見（自宅パソコン）さん» コメントありがとうございます。イラつく女を書くのは個人的に楽しかったです(笑)ありがとうございます！！ (2017年9月29日 21時) (
レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
綾波夜見（自宅パソコン） - イラーナさんにものすごくイラつきました←そして、そんな女にプレゼントしている鬱先生にも← いつも楽しく読んでいます！！更新のほう、無理しない程度に頑張ってください！！応援してます！！ (2017年9月29日 18時) (レス) id: 624c95f6b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リノ | 作成日時：2017年9月6日 21時
