第五十七章 ページ7
中庭の芝生が風に揺らめく。
美しい新緑の葉を身にまとう木。
雲のほとんどない青空に輝く太陽。
「訓練にもなり」
「この暑さを紛らわすことができ」
「何よりおもろい。……そう」
「「「戦争や!!」」」
私は自分の手に握られたハンドガン(水鉄砲)を眺める。
……どうしてこうなった。
事の始まりは一時間前。
何気ないシッマの言葉より始まった。
「涼しくなる訓練、思い付いたで!」
私はいきなりで理解するのに時間がかかったが、シャオロンとゾムは依然「夏の訓練解決案」についてシッマと話をしていたようで、食い気味に話を聞いていた。
得意げに威張るシッマは相手にされること自体が嬉しいのかニコニコ笑う。
そんな彼がご自慢の大声で言い放ったのが、
「水鉄砲でサバイバルや……!!」
シッマにしては珍しく、その武器たる水鉄砲は既に準備できているらしい。
シャオロン達もそれを聞いて驚き、「でかしたコネシマ!」とはしゃいでいる。
元気だなぁ。
そう心に呟いた私……の肩に置かれた大きな手。
モーニングコーヒーを持つ手が震える。
ゆっくりと視線を上げると、素晴らしく眩しい笑顔が三つ。
「「「あーそーぼ?」」」
結局遊びなんじゃないですか。
今日は久しぶりの非番の日、だけど徹夜明けだから少し寝かせてほしい……な。
それをこの状態の三人に言えるわけもなく、強制連行。
そして今に至る。
濡れても大丈夫なように着替えも済ませニシシ、と笑う彼ら。
当然私も着替えたわけですが、何分いつも着る服はあの軍服。
それの長袖と半袖それぞれ四着ずつとＴシャツ、ワイシャツ、それとズボンぐらいしか持ち合わせていなかった。考えてみれば恥ずかしい。
なので今はＴシャツに短パンという夏らしい恰好。
まず反応するのはシッマ。
「短パンええなぁ!!生足や!!」
『……何言ってるの』
言い方が大先生っぽいのは彼が大先生とそういうところだけ同じだからだろう。
真面目で誠実で世に言うイケメンなのに、勿体ない。
そこにさり気ないフォローを入れるのはシャオロン。
「いっつもワンピースの軍服やからなぁ。太ももまで見えるのは新鮮なんや」
『嬉しくない』
フォローになってないし。
そうだよ。この短パンすごく短いから嫌なんだよ。他に良いの無かったけど。
そして意味もなく私を抱き上げたゾム。
「ま、とりあえず俺とAチームで!」
その一言でまた一段と騒がしくなる二人。
眠気なんて何処かへ行きそうだな……。
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リノ(プロフ) - 綾波夜見（自宅パソコン）さん» コメントありがとうございます。イラつく女を書くのは個人的に楽しかったです(笑)ありがとうございます！！ (2017年9月29日 21時) (
レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
綾波夜見（自宅パソコン） - イラーナさんにものすごくイラつきました←そして、そんな女にプレゼントしている鬱先生にも← いつも楽しく読んでいます！！更新のほう、無理しない程度に頑張ってください！！応援してます！！ (2017年9月29日 18時) (レス) id: 624c95f6b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リノ | 作成日時：2017年9月6日 21時
