第八十二章 ページ32
No side
「さて、何があったか説明してもらおうか」
「お前らがやったんやとしたら今すぐ名乗り出ろや。どちらにせよ粛清な」
総統室に響く二つの冷酷な声。
他のメンバーよりも遅れて戻ってきた国のトップの二人。
向けられているのは女とのいざこざに立ち会った幹部五人。
Aは医務室で軽く手当してもらった後部屋に戻っている。
その部屋に戻る最中、Aと二人が出くわし、話に上がったこの五人が集められた。
五人とも二人の威圧に押されているものの、あの時の状況を説明する。
……イナーラの話した事についても。
「……話の流れ的に、オスマンの言っていたことと合っているな」
「どういうことや、グルッペン」
「前にA本人の口から聞いた話だそうだ。戦争の原因までは言っていなかったが……」
「……Aちゃんはわざと伏せとったんか?」
各々が様々な意見を持つ中、ふとロボロが口を開く。
「Aちゃんのインカムに内蔵されてる発信器で動きは追ってるけど、ほとんど城から出てないし、城下町でも大道りを通ってるだけだったから何も心配はいらないと思うんやけど……」
「……発信器?そんなもんつけとったんか」
コネシマだけでなくグルッペンとトントン以外は全員知らなかった様子。
別に発信器を付けているのは疑っているからではない。
純粋に心配と思うからこそ、グルッペンとトントンはそれを付けた。
彼女が来てから日も浅い頃の事だったが、今でもその気持ちは変わっていない。
……ただ、その思いが本人に伝わるかと言えば、決してそうではない。
『……ねぇ、何の話をしてるの』
全員が驚き、入り口を振り返る。
そこには少なからずショックを受けている……Aの姿。
いつもの軍服に身を包み、手には数枚の資料を持っている。
この短時間で終わらせてきたものだろう。
『発信器……?』
「A、違う。お前を疑っての事では＿＿」
『他に何があるの?』
「Aちゃん、グルちゃん達はAちゃんのことが心配で＿＿」
『でも、監視してたんでしょ……?』
「一旦落ち着けって、隠してたのは謝るから＿＿」
『なんで隠す必要があったの?』
彼らの言葉を全く受け付けないA。
その様子は彼女にしては珍しく、余裕のない感じだった。
彼らを信じたい。でも隠し事をされていたことが彼女から落ち着きを奪う。
『…………ひとりに、させて』
いつの日かの矛盾を告げ、彼女はその場を去った。
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リノ(プロフ) - 綾波夜見（自宅パソコン）さん» コメントありがとうございます。イラつく女を書くのは個人的に楽しかったです(笑)ありがとうございます！！ (2017年9月29日 21時) (
レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
綾波夜見（自宅パソコン） - イラーナさんにものすごくイラつきました←そして、そんな女にプレゼントしている鬱先生にも← いつも楽しく読んでいます！！更新のほう、無理しない程度に頑張ってください！！応援してます！！ (2017年9月29日 18時) (レス) id: 624c95f6b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リノ | 作成日時：2017年9月6日 21時
