第七十七章 ページ27
パーティー当日は一日中大忙しだった。
使用人の人たちは主催国へのお礼の品や参加国への贈り物の品の準備。
数人の使用人は幹部たちのメイクなど。
本来なら私も忙しく走り回ってるはずなのだ。
幹部じゃないんだから。
「もうー、それ何回言うんですか〜」
「いいじゃないですかパーティー!羨ましいですよ!」
「総統閣下と鬱様もとても素敵なお召し物を用意してくださいましたし」
『行きたくない原因のひとつですね』
私のメイク役に名乗り出てくれたいつもの三人。
多分彼女たちは私が嫌がってるのを知って上で言ってるんだろう。
私に用意されたドレスは、一言で言えば派手だった。
背中の辺りは大きく開いてるし、スカートのところも前は短く後ろは長い。
世に言う、フィッシュテールタイプだ。
『私にこれはちょっと……』
「何言ってるんですかこの上なく似合いますよ!!」
「Aに一番似合うタイプのドレスですよ〜」
「本当に。総統閣下と鬱様はAの事をよくわかっていらっしゃいます」
お世辞はいらないよ。でも、これ以外は無いみたいだし。
彼女達が担当である以上逃れられないだろう。
泣く泣く私は着替え始めた。
・
「やっと来たか」
『ごめん、遅くなって』
「ええよええよ〜、Aちゃんめっちゃ似合っとる。俺の見立て通りやな」
部屋を出るとグルッペンと大先生がいた。
二人共私がこのドレスを着ているのを見て嬉しそうに笑ってる。
『……あんまり見ないでよ』
「かわええなぁ、ほら、俺がエスコートしてあぎゃ」
「行くぞ、A」
大先生を肘で殴ったグルッペンが私に腕を差し出してくる。
……あぁ、エミさんに教えてもらったやつだ。
思い出しつつ、そっと腕に手を置く。グルッペンは満足そうに微笑んだ。
「よく似合ってるぞ」
歩きながら、耳に顔を近づけてそう言ってきた。
聞きやすい低い声とその台詞に少しドキッとしてしまう。
頑張って平常を保とうとしたがその様子が滑稽だったようで、またグルッペンは笑う。
「誰にも見せたくは無いんだがな」
『……?さっき大先生いたよ』
「そうだっけか」
『酷いなぁ』
そう言えば大先生後ろついてきてない。
グルッペンに尋ねると、あるものを取りに行ったという。
使用人の人に頼まないところをみると大切な物なのかな。
私達はそのまま外へ行き、みんなと合流したのちパーティーの主催国へと移動を開始した。
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リノ(プロフ) - 綾波夜見（自宅パソコン）さん» コメントありがとうございます。イラつく女を書くのは個人的に楽しかったです(笑)ありがとうございます！！ (2017年9月29日 21時) (
レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
綾波夜見（自宅パソコン） - イラーナさんにものすごくイラつきました←そして、そんな女にプレゼントしている鬱先生にも← いつも楽しく読んでいます！！更新のほう、無理しない程度に頑張ってください！！応援してます！！ (2017年9月29日 18時) (レス) id: 624c95f6b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リノ | 作成日時：2017年9月6日 21時
