第七十三章 ページ23
ぐっすり寝ていた私を起こしたのはトントン、ではなく元気な声と共に入ってきたあの人だった。
「失礼しまーす!」
「ノックせぇ」
いきなりの大声に飛び上がって起きた私。
戸惑いながらドアの方を見ると、ショートボブさんがいた。
相変わらずの彼女の笑顔に元気をもらえる気がする。
「トントン様、今日A様をお借りしてもいいですか!」
「なんでや」
「一緒にお買い物に行こうかと!」
「却下」
「何でですか!たまにはA様もお買い物したいはずですよ!」
「今日じゃなくてええやろ」
「いえ、女の子に必要な物はたくさんありますので今すぐに!!」
「Aが行く必要はない」
「そんなの本人次第です!!」
テンポのいい二人の会話に視線だけで参加しているとショートボブさんが、どうですか!?と話を振ってきた。
行きましょう!!という声が目力を通して伝わってくる。
それを汲み取った私はショートボブさんに賛同する答えを返した。
ガッツポーズで飛び上がるショートボブさん。
その大袈裟すぎる表現にトントンが顔をしかめた。悔しそう。
「ささ、そうと決まれば行きましょう!!他の二人も待ってます!!」
どうやらこの前の女子会メンバーが集まっているみたいだ。
前みたいな楽しい時間が過ごせるのかと思うと今から頬が緩みそう。
今日の仕事状況を頭の中で確認して、急ぎの物はなかったと結論を出す。
心置きなく買い物が出来そうだ。
『じゃあ、いってきます』
「いってきますー!!」
清々しくトントンに言い残し、私は城下町へと案内された。
・
「あ、来た〜」
「おはようございます、A様」
いつもの服装をキチンと身にまとった二人が歩いてくる私達を見つけるなり軽く会釈して挨拶をしてくれた。
そこに堅苦しさは感じなくて、ただただ礼儀正しいと尊敬するばかり。
『おはようございます』
挨拶を返すと柔らかく笑ってくれた。
今日は日用品や服なんかを買いに行くらしい。
この前は服全然持ってないな、とか思ってたけどいざ必要な場面を考えてみると、無くても困らないんだよね。
服はいいか、と思いながら楽しそうに笑う彼女達の後をついていった。
寒さが厳しくなってきた季節でも、城下町は賑やかだった。
先に必要な物だけを買い揃え、残りは、買わなかったが服を見たり、オスマンの言っていたお店に行ったりなどして時間を潰す。
最後に行きたい場所があるから、と彼女たちが向かったのは珍しいお店。
果実屋だった。
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リノ(プロフ) - 綾波夜見（自宅パソコン）さん» コメントありがとうございます。イラつく女を書くのは個人的に楽しかったです(笑)ありがとうございます！！ (2017年9月29日 21時) (
レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
綾波夜見（自宅パソコン） - イラーナさんにものすごくイラつきました←そして、そんな女にプレゼントしている鬱先生にも← いつも楽しく読んでいます！！更新のほう、無理しない程度に頑張ってください！！応援してます！！ (2017年9月29日 18時) (レス) id: 624c95f6b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リノ | 作成日時：2017年9月6日 21時
