第五十三章 ページ3
鬱大先生side
絶対間に合わせるから!!
そう意気込んで部屋に走っていくAちゃん。
その後ろ姿を見届けた俺は、様々な感情の混じった溜息をついた。
まず一つ。
Aちゃんは怒ってなかった。
間が空いてしまっていたが、俺の何気ない一言で地雷を踏んでしまったあの時。
確実に怒らせて、嫌われた、とガチで凹んだほどに気にしてたのに。
蓋を開けてみれば何のこと?ときた。
今までいろんな女を相手にしてきたが、ここまで馬鹿で素直で興味深くて面白くて……愛らしいと感じたのは初めてだ。
そう、二つ目。
めっちゃ健気。
(俺と)お祭り行きたいから頑張って仕事終わらせるねって!!
素直にかわええと思ったわ。
これは浴衣選びもはかどりますなぁ。
「あ、大先生。何ニヤついてんねんきっしょ」
「ふふふ、コネシマ君。僕は今どんな暴言を聞いても平気な程に気分が良い」
「無能な有機物」
「なんとでも言いたまへよ!」
「お前の親が可哀想」
「それはやめて!!」
そんな茶番を終わらせたところで、ふと気になる。
「なぁ、シッマはAちゃんどう思っとる?」
こいつはわからん。
グルッペンやトントン、ゾムは同じ。
オスマンやひとらん、エミさんはなんというか保護者感がある。
シャオちゃんとロボロは……傾き気味。
その中でシッマが一番、よくわからん。嫌ってはおらんと思うけど。
「なんや、Aのこと疑っとんか」
「あー、ちゃうちゃう。好きか嫌いかってこと」
「好きに決まっとるやろ。大事な仲間や!」
うむ、こいつに恋愛感情はなさそうだ。友達、仲間、と言ったところか。
こいつはホンマに店にしか興味無さそうやしな。
「でもな」
「ん?」
「あいつがもし泣いたら……俺は泣かせた奴を許せんと思う」
「……」
「なぁ大先生」
「なに?」
「……自分より弱い奴を護りたいと思うのは当然の事、だよな?」
アホか。あぁ、そうだよな、こいつはアホだ。
経験したことない事をどう頭で処理したらええかわからんような、アホ。
「多分、な」
お前は、自分より弱いという理由一つで誰でも護ろうとするほど優しい人間じゃない。
俺は良く知っている。お前という人間を。
だから、お前がそう思うのなら、お前にとって彼女は……。
「あー、Aちゃんかわええわ〜」
「おい、遊びで手出したらマジで殺されるぞ」
「そんなの、弱者の戯言ですぅ」
俺にとって彼女は……?
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リノ(プロフ) - 綾波夜見（自宅パソコン）さん» コメントありがとうございます。イラつく女を書くのは個人的に楽しかったです(笑)ありがとうございます！！ (2017年9月29日 21時) (
レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
綾波夜見（自宅パソコン） - イラーナさんにものすごくイラつきました←そして、そんな女にプレゼントしている鬱先生にも← いつも楽しく読んでいます！！更新のほう、無理しない程度に頑張ってください！！応援してます！！ (2017年9月29日 18時) (レス) id: 624c95f6b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リノ | 作成日時：2017年9月6日 21時
