第六十八章 ページ18
とある日のお昼過ぎ。
廊下で久しぶりの姿を見つけた。
『ロボロ〜!』
「あ、Aちゃん。何か久しぶりやねぇ」
『お互いに時間合わなかったもんね。この後時間ある?』
「俺の番終わったから大丈夫やで」
私も休憩中なのでバルコニーでお話しすることに。
この季節は本当に過ごしやすくて長話をしたくなる。
四階のバルコニーに出ると秋色に染まる城下町が少しだけ眺めることができた。
私はロボロに話を振る。
『オスマンに聞いたんだけど、ロボロって兄弟がいるんだね』
「あー、うん。あれ以来会ってないけどね」
『会いたいとは……思わないの?』
「思わないよ」
間髪入れず彼はそう返した。
隣に並ぶ彼を見ると、こちらを見ず街の方を向いている。
風になびいて捲れた紙の下。思えば初めての彼の顔を見た。
その目は何にも揺るがない感情があるように感じさせる。
「兄達は、とても優秀なんだ。俺に出来ないことを全て平然とやってのける」
『……』
「だから、俺は兄達のしないものを頑張った」
『それが、今の?』
「そう。これだけは兄達にも負けなかった。誰にも負けなかった」
誇らしげに言い切る。
バルコニーの手摺を握って、上を向いて。
……でも。
彼はそう言葉を続けた。
「両親は俺を誉めてはくれなかった。少し前までは何の役にも立たないとされてきた分野だったから……悔しかったな」
人とはそういうものなのだろう。
集団心理。本当に必要な物でさえ十人中八人が否定すればそれはたちまちゴミになる。前例がないから。証明されてないから。そんな理由を並べて、挑戦することを諦めて、失敗への恐怖から逃れる。
進化に必要なのはその挑戦なのに。
たとえ、挑戦したとしても周りはその人を否定する。馬鹿馬鹿しいとか蔑んで。
そして、ロボロはそれを経験したんだろう。
「でも、そんな俺でもグルッペンは必要としてくれた」
そして、グルッペンは他の人とは違うんだろう。
だからこそ、一から国を作るなんて無茶なことが出来たんだろう。
彼は、やっぱり凄かった。
『天才は常識の枠から外れている』
「……え?」
『グルッペンも、ロボロも、みんなも。誰も認めない、不必要だと言われたことに対して諦めずに挑戦し続けた。限界を決めなかった。それは簡単なことに聞こえるけど決してそうじゃない。とても勇気ある行動だなんだと思う』
「……」
『尊敬しちゃうな』
みんなと私は全く違うから。私に無いものを持っているから。
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リノ(プロフ) - 綾波夜見（自宅パソコン）さん» コメントありがとうございます。イラつく女を書くのは個人的に楽しかったです(笑)ありがとうございます！！ (2017年9月29日 21時) (
レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
綾波夜見（自宅パソコン） - イラーナさんにものすごくイラつきました←そして、そんな女にプレゼントしている鬱先生にも← いつも楽しく読んでいます！！更新のほう、無理しない程度に頑張ってください！！応援してます！！ (2017年9月29日 18時) (レス) id: 624c95f6b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リノ | 作成日時：2017年9月6日 21時
