第六十七章 ページ17
大先生とは学校が同じだったらしい。
二人がすぐに気づけなかったのは彼がほとんど来ていないから。何かと相手を出し抜き、騙す。人としてはどうかと思うが、その技術は確かなようで、強制的に仲間入り。
「ああいう時だけは威厳みたいなのがあるからね〜」
『なんとなくわかるなぁ』
そして同じ学校にて。
機械の扱い、情報処理能力が高い生徒がいると噂が流れ始める。
それがロボロだった。彼はとある貴族の三男で、家を継ぐなどのいざこざもなく案外すんなりと仲間になったらしい。
これが初期のメンバー。
ここから何年もの時間をかけてなんとか国を作り上げる。
それまでの苦労を話さないのは彼なりの気遣いだろうか。
聞かれたくないこともあるだろうし素直に話の続きに耳を傾ける。
国として落ち着いてきた頃、最初の貿易国として外交を行った東の国。
オスマンが出向いたらしいが、その国でひとらんと出逢う。
東の国では他国よりも断然、農業が盛んであらゆる場所に畑があった。そんな中でひとらんの畑の作物は他のどのものよりも素晴らしかったという。オスマンの独断の判断だったがひとらんを我々国に招くことに。グルッペンはこれを承諾。次の冬を迎えたら、という約束でひとらんを迎える。
「ひとらんの剣術の凄さを知ったのはこっちに来てからだったんよ」
知ることになった理由はあえて割愛。
軍事力も蓄えてきた頃。初めての戦争が起こる。
負傷した大先生が偶然辿り着いた村で医師をしていたしんぺい神と出逢う。
大先生がこれは死ぬ、と思っていた怪我を彼はいとも簡単に治療してみせたらしい。我々国は医師はいたもののそれでも技術は中の中。是非とも仲間になってほしいと大先生が頼みに頼み込んで了承を得る。この時ばかりはグルッペンにすごく褒められた。
そうして今のメンバーが揃い、更なる発展を成し遂げる。
他人の可能性を見い出し、他人を引き付けるカリスマを持ったグルッペン。
そんな彼だからこそできたのだと、今日の話を聞いて改めて納得させられた。
『オスマンは最初からずっとグルッペンと一緒にいたんだね』
郊外を見て回るときもずっと二人で。今でもグルッペンの片腕として。
「今更、離れようとも思えないんよ」
『そっか』
オスマンはカップを傾ける。角度からして飲み切ったのだろう。
そろそろいい時間だった。
「またお話しようね」
肯定以外の選択肢など無い。
私は最後の一口のケーキを口にした。
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リノ(プロフ) - 綾波夜見（自宅パソコン）さん» コメントありがとうございます。イラつく女を書くのは個人的に楽しかったです(笑)ありがとうございます！！ (2017年9月29日 21時) (
レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
綾波夜見（自宅パソコン） - イラーナさんにものすごくイラつきました←そして、そんな女にプレゼントしている鬱先生にも← いつも楽しく読んでいます！！更新のほう、無理しない程度に頑張ってください！！応援してます！！ (2017年9月29日 18時) (レス) id: 624c95f6b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リノ | 作成日時：2017年9月6日 21時
